2021 Fiscal Year Research-status Report
長期に安定したインプラント治療を実現するインプラント周囲骨リモデリングの解明
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20K18606
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹村 陽子 九州大学, 大学病院, 助教 (60778869)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 口腔インプラント / 骨細胞 / メカニカルストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔インプラント治療が補綴歯科治療の1選択肢として確立してから長期間が経ち、また超高齢社会となっているため、インプラント治療を受けた患者も今や高齢となり、骨代謝や咬合関係の変化が生じ、インプラント周囲骨吸収やインプラント周囲炎を有する患者も増えてきている。しかしながら、インプラント周囲骨にトラブルを生じる契機や、詳しいメカニズムに関しては未だ解明されていないことも多い。また、インプラント周囲炎に対しては治療方法が示されているものの、治癒の難しい症例もあり、進行した場合にはインプラント体の撤去を行わざるを得ないのが実状である。インプラント周囲炎やインプラント周囲骨吸収の原因としては、感染の他に、負担過重が挙げられている。今回、インプラント周囲骨に対する負担過重に着目し、ラット顎骨インプラント埋入モデルを用いて解析を行っている。本年度は負担過重に対する初期反応にまず着目し、ラット上顎骨に純チタン製スクリュータイプインプラントを隣在歯と同程度の高さに埋入後、1ヶ月間の待機期間を設け、十分にオッセオインテグレーションを得た。インプラント体の初期固定はすべて良好であり、1ヶ月後においてもインプラントに動揺は認めず、周囲粘膜にも炎症所見は認めなかった。その後何らかの理由によって荷重状態が変化したことを想定し、半数のラット上顎骨インプラント埋入モデルに対し、過高となる上部構造を付与し、1週間後の状態の解析を行った。過高となる上部構造を付与した群においてもインプラント体の脱落の増加は認めなかった。現在非脱灰切片を作製し、詳細な解析を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
家庭の事情と、昨今の感染状況により、研究時間の確保が難しいことがあったが、現在は研究のリズムもつかめてきており、今後は研究計画にしたがって遂行していく所存である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は研究サンプルの収集をメインとして行ったため、来年度は解析を行い、研究データの発表につなげていくことが可能である。
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Causes of Carryover |
一昨年度に産前産後休暇、育児休暇の取得による期間延長申請を行っており、研究計画も実質1年先送りとなった状態であるため、次年度使用額が生じた。次年度は当初の予定の最終年度の計画に従い研究を遂行する予定である。
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