2022 Fiscal Year Research-status Report
長期に安定したインプラント治療を実現するインプラント周囲骨リモデリングの解明
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20K18606
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹村 陽子 九州大学, 大学病院, 助教 (60778869)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | インプラント周囲骨 / メカニカルストレス / 骨リモデリング / 咬合負荷 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔員プランtの治療は超高齢社会となり歯の欠損を有する人数が増えたこともありより重要な選択肢の1つになっている。またインプラント治療を受けた患者も今や高齢となり、全身疾患に関連した骨代謝の変化や、歯周炎や歯の欠損に伴う咬合負荷の変化が生じ、インプラント周囲骨吸収やインプラント周囲炎を発症する患者も多くなっている。インプラント治療において、メカニカルストレスは非常に重要視されており、状況によって即時負荷を行ったり、一方で待時負荷を行ったりと、繊細なコントロールが求められる。しかしながら、咬合負荷とインプラント周囲骨代謝の関係に関しては、まだ未解明な点が多い。そこで、骨におけるメカノセンサーである骨細胞に着目することで、咬合負荷の変化がインプラント周囲骨にどのように作用しているのかを解析することとした。当研究室で確立されているラット上顎骨インプラント埋入モデルにおいて、純チタン製インプラントの粘膜上での高さを変えて咬合負荷を3段階設定した。粘膜同縁の高さでは咬合負荷が少なく、隣在歯と同じ高さでは咬合負荷が適正で、隣在歯よりも高いものでは咬合負荷が強く与えられると想定し、モデルを作成することに成功した。またインプラントと骨との結合であるオッセオインテグレーションが十分に確立した場合の咬合負荷の変化を想定して、埋入4週間後に隣在歯を抜歯して過負荷を与えたモデルの作成にも取り組んだ。右側第一臼歯にインプラントを埋入後、右側後方歯を抜歯したモデルと比較し、反対側である左側歯を抜歯したモデルの方がインプラント生存率が低い傾向がみられた。現在解析中であり、今後報告が可能である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
家庭の事情と、診療、教育業務にかける時間が必要であり、研究時間の制限がある。しかしながら現在研究手技も確立されてきており、今後は効率を上げて治療を行うことが可能であり、今後は順調な研究結果の蓄積を期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は動物実験の結果をもとにメカニズムの解明を行うため、骨細胞ネットワークを再現できる骨細胞様細胞株MLO-Y4三次元ゲル包埋培養を用いた解析を行う。また結果をまとめ、学会発表や論文発表を行う予定である。
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Causes of Carryover |
昨今の感染症事情と家庭の事情により研究時間が制限されたが、現在は感染も収まり通常の研究時間が確保できるようになったので、今後は計画通りに実験を行うことが可能である。
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