2020 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の口腔機能と高次脳機能の相互関係に関する長期縦断研究
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20K18628
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
八田 昂大 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (60845949)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 認知機能 / 口腔機能 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
認知症の対策は、人間の尊厳を守り、自立した生活を営むための喫緊の課題である。しかしながら、認知症に対する根本的な治療法は確立されていないため、認知症を発症させないように、高次脳機能を維持し、その低下を予防することが重要である。 近年、口腔因子と高次脳機能の関連について、様々な結果が報告されているが、多人数を対象とした長期縦断研究はない。そこで本研究においては、自立した生活を送っている高齢者を対象として9年間の縦断研究を行い、口腔因子と高次脳機能ならびにその機能領域別の影響について、明らかにすることを目的とした。 2020年度は、COVID-19の蔓延の影響により、予定していた80歳群に対する会場調査は次年度に延期となったが、これまで調査に参加したすべての者を対象に郵送調査を行い、現時点で1786名の回答が得られている。研究実績としては、これまで収集した口腔検査データから、咀嚼機能が、認知機能に及ぼす影響について検討を行った。対象者は、残存歯数と咀嚼スコアによって以下の4群に分類した(20歯以上(20歯以上群),20歯未満咀嚼能率スコア0~2(低下群),3~5(ふつう群),6~9(良好群))。目的変数をMoCA-J得点とした一般化線形モデルにて検討を行った結果、 20歯以上群を基準とした場合、低下群(非標準化係; B=-0.58、p=0.02)は認知機能に有意な関連を認めたが、ふつう群 (B=-0.38, p=0.159)、良好群(B=-0.068, p=0.851)は認知機能に有意な関連を認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は、COVID-19の蔓延の影響により、予定していた80歳群に対する会場調査は次年度に延期となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、感染対策を十分に行ったうえで、昨年度行えなかった者および本年度もともと行う予定であった者を対象に会場調査を行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナの蔓延により、2020年度の調査が次年度に延期となったため。
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