2020 Fiscal Year Research-status Report
Physiological sequences on tooth grinding under sleep-like states in animals
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20K18632
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
東山 亮 大阪大学, 歯学研究科, 招へい教員 (50781663)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 睡眠時ブラキシズム / 麻酔薬 / 顎運動 / 脳波 |
Outline of Annual Research Achievements |
ウレタンを投与したモルモットにおいて、脳電図、眼電図、心電図、開閉口筋筋電図、鼻部呼吸気流、下顎運動を同時記録する実験系において、ノンレム睡眠様及びレム睡眠様の周期的な脳波活動の出現に応じて、反復性の咀嚼筋活動のエピソードが群発することを見出してきた。本年は、ウレタン麻酔下で生じる反復性の咀嚼筋活動や顎運動の特性について検討をおこない、ウレタン麻酔下で発生する咬筋活動は単峰性でないものが多いことや、連続して発生するエピソードやエピソード内では筋活動のバーストの持続時間が一定ではなく変化する可能性がわかった。また、反復性咀嚼筋活動に伴う下顎の側方移動量や移動範囲が必ずしも対称性ではなかった。さらに、麻酔下における下顎運動特性を、異なる麻酔薬と比較するために、過去にリズミカルな顎運動が発生することが報告されているNMDA拮抗薬投与後に生じる麻酔深度の変化が、顎運動発現との関連を解析した。下顎運動を記録できる動物に対して、複数の投与量を複数回にわたって繰り返して筋肉注射し、リズミカルな顎運動が発生するまでの時間を測定すると、投与量に応じて発生潜時は延長する傾向を認めた。つぎに、脳電図、心電図、開口筋筋電図、鼻部呼吸気流、下顎運動を同時記録できる動物において、麻酔薬を投与して得られたデータを解析したところ、ケタミン投与後に発生するリズミカルな顎運動は、脳波活動や呼吸活動、心活動が増減する過程を経てから発生する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
年度当初はコロナ禍による行動制限があったため研究開始時期が遅れたこと、ウレタン麻酔下における運動・筋活動の定量的な解析が遅れており、自律神経活動などとの関連が十分解析できていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
ウレタン麻酔下で発生する咬筋活動の発現特性を明らかにするとともに、麻酔深度の変動に伴う顎運動の特性を明らかにする。
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Causes of Carryover |
実験条件の設定やデータ解析に時間を要したこと、コロナ関連の行動制限やそれに伴って当初予定した学会発表の機会をうまく得られなかったことにより、経費の執行が想定より少なかったため。次年度は、実験の実施は継続し、実施おいて新たに必要と思われるセンサー類・機器の購入と、成果発表に関わる経費に使用する予定である。
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