2020 Fiscal Year Research-status Report
顎関節症症状の難治化に関するリスク因子の解明および予測指標の開発
Project/Area Number |
20K18633
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
三木 春奈 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (60739902)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 顎関節症 / 難治性 |
Outline of Annual Research Achievements |
顎関節症の中でも,関節円板転位症例は関節円板後部結合組織の適応により症状・兆候が比較的短期間に軽減を示し,その大部分で良好な予後が期待できると言われている。その一方で,症状の持続あるいは悪化を示す症例も少なからず存在しており,痛みは長期化すると中枢の感作が生じることから,難治性へと移行すると治療はより複雑となる。そこで,本申請研究では顎関節症症状の難治化のリスク因子を解明することを目的として,顎関節症が多因子疾患であることを考慮し,精神心理学的評価や睡眠障害,睡眠時/起床時悪習癖などの要因を包括的に検証する解析モデルを用いた前向きコホート研究を行い,予後リスク因子を検討することとした。 そのなかで顎関節症状の難治化に関与する候補因子として,解剖学的要因だけでなく,行動要因,咬合要因,心理的要因の評価項目を含めて包括的に検討する予定であるが,候補因子の数が多いためにあらかじめ絞り込みを行う必要があった。そこで,予備研究として健常者を対象に過去に実施した顎関節症症状と諸因子に関する横断研究について質問紙による追跡調査を新規に計画し,顎関節候補因子間の相互相関性を明らかにすることとした。令和2年度は,研究を開始するにあたり,臨床研究実施計画書などを作成し,岡山大学臨床研究審査専門委員会への申請準備を行った。今後は予備研究を実施し,絞り込んだ候補因子を用いて,岡山大学病院顎関節症・口腔顔面痛み外来を受診した顎関節症患者を対象に初期治療の奏功/非奏功に関わるリスク因子を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は研究を遂行するにあたって,候補因子を絞り込む必要があったため予備研究を追加で計画した。それにより当初の計画からはやや遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は予備研究を実施し,候補因子間の相互相関性を主成分分析によって解析し,候補因子を絞り込む。そして,岡山大学病院顎関節症・口腔顔面痛み外来を受診した顎関節症患者を対象に規定の初期治療(認知行動療法,理学療法,薬物療法,スプリント療法)を施行し,8週間経過時に主治医により初期治療後の臨床症状の緩解の有無を判断し,初期治療の奏功/非奏功に関わるリスク因子を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い,本学の活動制限指針により新規の研究開始が事実上凍結となったため研究実施ができない期間があった。これにより,本年度に実施予定であった予備研究が行えなかった。次年度に繰り越し実施予定である。
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