2022 Fiscal Year Annual Research Report
脳波評価を応用した振動刺激による睡眠時ブラキシズム抑制効果発現機序の解明
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20K18643
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
中里 友香理 昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (00845943)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 睡眠時ブラキシズム |
Outline of Annual Research Achievements |
睡眠時ブラキシズムは睡眠中の非機能的な顎運動であり,その過大な咬合力は補綴歯科領域における患者QOLの低下を招く一因となり得るが,睡眠時ブラキシズムに対する治療法は対症療法であるスプリント療法が主流である.そこで本研究では,非侵襲的な振動刺激を用いたバイオフィードバック療法に着目し,睡眠時ブラキシズムにより歯列に生じる咬合力から睡眠時ブラキシズムイベントを検出し,そのシグナルをもとに歯列に振動刺激としてフィードバックする口腔内装置を開発し,測定を行なって睡眠時ブラキシズム抑制効果を評価するとともに,睡眠評価を行なって,その抑制効果を明らかにすることを目標とした. 臨床診断から"Probable"な睡眠時ブラキシズム患者を抽出し,マルチチャンネルの簡易型睡眠検査装置Sleep Profilerを用いて"Definite"な睡眠時ブラキシズム患者を被験者とした.三次元造形でスプリントを製作し,振動/記録ユニットとアーチ状のピエゾフィルムを組み込んで振動フィードバックオクルーザルスプリントを完成し,適合および咬合接触関係の調整を行なった.被験者に使用法を指示した上で,測定スケジュールに従って振動フィードバックオクルーザルスプリントと簡易型睡眠検査装置を装着させ,45日間の測定データを取得した.筋活動データから,マニュアルにてブラキシズムエピソードのスコアリングを実施し,振動の有無にて比較を行なった.その結果,振動刺激直後には,エピソード回数および持続時間が振動刺激無しと比べて有意な減少を示し(p=0.012,p=0.012),振動刺激継続4週後でも有意な減少を示す(p=0.023,p=0.023)ことが明らかになった.また,睡眠時間,睡眠効率,睡眠潜時,微小覚醒指数などの睡眠変数には有意差を認めず,被験者の主観的評価においても睡眠への影響を認めないことが明らかになった.
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Research Products
(1 results)