2022 Fiscal Year Research-status Report
「食」を通じて健康寿命延伸を実現する口腔機能・栄養摂取の複合向上プログラムの開発
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20K18648
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
五十嵐 憲太郎 日本大学, 松戸歯学部, 助教 (00843971)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 口腔機能低下症 / 類型化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は口腔機能・栄養状態の複合改善プログラムを作成することを目的として、その基礎データとなる内容の解析を行った。地域在住高齢者1693名を対象として、日本老年歯科医学会が提唱する「口腔機能低下症」のうち、年齢階級の上昇に従い低下がみられる咬合力低下、舌口唇運動機能低下、低舌圧および咀嚼機能低下の4項目のうち3項目以上の低下がみられる項目について「口腔機能低下症4項目モデル」(以下、4項目モデル)として、分類および類型化を行った。 本研究における4項目モデルの該当者は、このうち335人(19.8%)であり、内訳は下記の5つのグループに分類したところ、Group 1 舌口唇運動機能、舌圧、咀嚼機能が低下している場合:25人(7.5%)、Group 2 舌口唇運動機能、舌圧、咬合力が低下している場合:62人(18.5%)、Group 3 舌圧、咀嚼機能、咬合力が低下している場合:27人(8/1%)、Group 4 舌口唇運動機能、咀嚼機能、咬合力が低下している場合:117人(34.9%)、Group 5 舌口唇運動機能、舌圧、咀嚼機能、咬合力のいずれも低下している場合:104人(31.0%)に分類された。 また、この4項目のうち「咬合力」および「咀嚼機能」のいずれかが維持されている群の対象者の属性(年齢、性別、現在歯数、栄養状態等)がきわめて近似していることからこれを1つのグループとし、「舌圧」が維持されているグループ、「舌口唇運動機能」が維持されているグループ、いずれの項目も低下が認められるグループの4つのグループに分類してアプローチ方法を検討する必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画していたとおりにデータの収集は完了したが、地域在住高齢者におけるデータの解析において、対象者の区分毎、および低下の状況ごとで追加で解析を行う必要が生じたため、当初予定していた論文投稿の時期が遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
口腔機能低下症を年齢による低下項目とそうでない項目に峻別して検討を行う必要性が示唆されたため、今後の検討課題としては対象者数の増加および、本研究で得られた類型化ごとの予後の観察を行い、フレイルや低栄養と言った心身機能の低下の発現、および口腔機能管理等の介入による変化の推移を検討する必要があると考えられる。
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Causes of Carryover |
対象者データ収集後の解析において追加の解析を必要としたため、論文投稿等が当初計画よりも遅延していることから、次年度使用額が生じている。速やかに論文作成・投稿を行う予定である。
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] 静電容量型感圧センサーシートを用いた咬合力測定の信頼性および成人の基準値の検討2023
Author(s)
栗谷川 輝, 五十嵐 憲太郎, 目黒 郁美, 三浦 俊和, 樽川 禅, 櫻井 萌絵, 藤井 あゆ, 山崎 亜莉紗, 釘宮 嘉浩, 城野 利盛, 石井 智浩, 伊藤 誠康, 河相 安彦
Organizer
令和 4 年度公益社団法人日本補綴歯科学会 東関東支部学術大会
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[Presentation] 要介護高齢者における咬筋量と体肢筋量の関連2022
Author(s)
三浦和仁, 岩崎正則, 枝広あや子, 本川佳子, 白部麻樹, 早川美知, 三上友里江, カランタル玲奈, 本橋佳子, 五十嵐憲太郎, 小原由紀, 渡邊裕, 平野浩彦
Organizer
第15回日本口腔検査学会総会・学術大会
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[Presentation] Association between masseter muscle mass and skeletal muscle mass in older adults requiring long-term care.2022
Author(s)
Kazuhito Miura, Masanori Iwasaki, Ayako Edahiro, Keiko Motokawa, Maki Shirobe, Misato Hayakawa, Yurie Mikami, Lena Kalantar, Yoshiko Motohashi, Kentaro Igarashi, Yuki Ohara, Yutaka Watanabe, Hirohiko Hirano
Organizer
The 8th ASIAN CONFERENCE for FRAILTY AND SARCOPENIA
Int'l Joint Research
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[Presentation] 口腔機能低下の症型・ステージに応じた口腔機能管理の必要性を認識した2症例2022
Author(s)
五十嵐憲太郎, 目黒郁美, 栗谷川輝, 樽川禅, 小澤旺彦, 髙野光司, 大森寛子, 小倉由希, 小西賀美, 渕上真奈, 小峯千明, 續橋治, 深津晶, 林佐智代, 伊藤誠康, 内田貴之, 小宮正道, 野本たかと, 福本雅彦, 河相安彦
Organizer
第22回日本大学口腔科学会学術大会
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