2021 Fiscal Year Annual Research Report
405nm波長光を応用した機械的清掃に依存しない新規義歯洗浄方法の開発
Project/Area Number |
20K18649
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
堤 千明 鶴見大学, 歯学部, 非常勤講師 (20778691)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 義歯性口内炎 / Candida albicans / 405nm |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会における誤嚥性肺炎の急増に伴い,義歯に付着したデンチャープラークを簡便かつきれいに洗浄する方法の確立が急務である.研究代表者は従来の洗浄法と異なる新しいアプローチ法として光の持つ殺菌効果に着目し,405nm波長光が照射域内の義歯上Candida albicans(C. albicans)バイオフィルムを完全に殺菌することをこれまで明らかにしてきた.しかしながら,複雑な構造の義歯において一方向の光の照射のみでは陰になる部位が生じ,陰になる部位は殺菌ができない.したがって,光の反射を応用し陰となる部位の照射を可能とする義歯洗浄装置の開発に取り組んでいる.主な方法は,装置内面のステンレス板と装置内に満たした水中で発生させるナノバブルに405nm波長光を反射させることで,様々な方向の反射を可能にする. 本年度は,反射装置製作およびC. albicansの付着した義歯試料を用いた殺菌効果を検証した.反射装置を用いた殺菌効果に関しては,すべての陰になる部位において有意に付着菌量の減少が認められた.ただし,ナノバブルによる洗浄効果も相乗的にあることが予測されるため,今後その点に関して検証する必要がある.また,反射は光エネルギーの低下を招くため,光の出力を上げることが必要となるが,出力の増加は装置内の水温の上昇をもたらす.水温上昇は義歯の変形等を引き起こす可能性があるため,水温を上げることなく殺菌効果が最も得られる出力を今後検討する必要がある. 引き続きデータを取得し,成果を発表していく.
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