2022 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ構造の骨リモデリング制御および骨形成メカニズムの解明
Project/Area Number |
20K18651
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
張 泓ホウ 大阪歯科大学, 歯学部, 講師(非常勤) (30828025)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 骨免疫 / インプラント / UV処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では純チタン金属表面にナノ構造を付与することで、免疫系細胞-骨髄細胞の相互作用を着目し、骨リモデリングの制御及び新たな骨形成メカニズムを解明する。優れた骨免疫調節特性を備える理想的なインプラント材料の開発を目指す。表面評価について,SEMの所見では,実験群の変化は認めなかった.XPSの結果では実験群ではC1sピークが下がった.接触角では実験群では超親水性を示した.In vitro評価について,実験群ではRAW264.7細胞をM1型の分極に抑制し,細胞初期接着,抗炎症及び骨形成関連遺伝子の発現量が有意に高い値を示した.RAW264.7細胞と黄色ブドウ球菌共同培養の結果により,実験群では長い紡錘形細胞および拡張された細胞仮足を示し,対照群では丸い細胞を示した.Live/Dead染色結果により,実験群表面のマクロファージが対照群より多くの黄色ブドウ球菌を貪食したことを明らかに示した.次に,マクロファージの殺菌活性に関するROS形成の結果により,実験群では高いレベルのROS形成量が観察された.また,骨髄間葉細胞の共同培養に対する評価の結果により,実験群でALP活性,カルシウム形成量及び骨形成関連遺伝子発現が有意に高い値を認めた.動物実験の結果により,CT画像の観察をしたところ,8週間に実験群で海綿骨内の新生骨の著しい形成を認めた.ソフトウェアによる解析結果では,埋入後8週ではすべての指標において実験群で対照群と比較して有意に高い値を示した.以上の結果により,純チタン金属表面へUV/オゾン処理することで優れた免疫調節特性を備え,抗菌性および硬組織分化誘導能を向上させることが明らかになった.本年度追加実験を行う予定であったが,コロナ蔓延による社会的状況から中国へ帰国,再来日の目途もたたないので実験をここで終了する。
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