2020 Fiscal Year Research-status Report
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20K18652
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
田代 悠一郎 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (50823514)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ハイドロキシアパタイト / 義歯床用材料 / QCM |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢社会において、補綴装置上の汚れは、誤嚥性肺炎、義歯性口内炎および口角炎を引き起こしやすく、口腔内の衛生管理は必要不可欠である。しかし、本申請者による事前研究では口腔内に使用される歯科材料は機械的・化学的な側面からも非常に汚れやすい材料であることが明らかとなった。つまり,高齢者のQOLをより向上させるためには,適切な清掃管理と種々の清掃法に適した義歯床材料の開発が急務である.そこで本申請研究では,カルシウムヒドロキシアパタイトを導入した光触媒チタンを封入した細菌付着抑制を促す新規義歯床用材料の開発を目指し,高齢者のQOLを向上させる一助としたい.配合材料として富士通研究所より販売されている光触媒チタンアパタイトを使用する。また、一般的に義歯床材料として使用されているPMMAを義歯村料として利用する。配合する光触媒チタンアパタイトの配合率および光触媒の有無で各種試験材料を作製する。各種材料のセンサに対しQCM装置を使用して、口腔内唾液の主要分であるアルブミンおよびムチンの吸着量を測定する。また義歯の汚れの原因であるヤニや茶渋、食事の汚れと近似している牛脂を使用し、汚れの付着機構についても解析する。その結果、アパタイトセンサでは汚れの付着が少ないことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
QCMセンサによる実験は終了し、細菌実験を開始する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
作製した各種実験材料を24well falconプレートに合うように形態修正し、細菌を播種し、各種材料に対する細菌の初期付着およびバイオフィルム形成量の確認を行う。使用する細菌としては口腔内の初期付着細菌として有名なActinomyces oris strain MG1株や義歯性口内炎の原因菌として使用されるCandida albicans菌とする。また、実験の進行程度にあわせて細菌は追加するものとする。ここまでの実験を終了した上で各種材料を使用した実験用床を作製し、被験者の口腔内に装着する時間的経過を観察しながら、口腔内細菌叢の変化を観察する。また、最終的に義歯を作製し、症例検討を行う。
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Causes of Carryover |
細菌実験のためレジン板の作製依頼をしたものの、コロナ蔓延のため、作成が年度をまたいでしまった。次年度、レジン板を製作し、Sa菌および大腸菌を利用した細菌実験を開始予定である。
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