2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K18652
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
田代 悠一郎 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (50823514)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 抗菌性付与 / チタニウムハイドロキシアパタイト / ポリメチルメタクリレート / 水晶振動子マイクロバランス装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢社会において、補綴装置上の汚れは、誤嚥性肺炎、義歯性口内炎および口角炎を引き起こしやすく、口腔内の衛生管理は必要不可欠である。そこで光触媒抗菌性材料であるチタニウムハイドロキシアパタイト(以下,TiHA)を義歯床用レジンであるポリメチルメタクリレート(以下,PMMA)に配合したチタンアパタイトーポリメチルメタクリレート(以下,TiHA-PMMA)を作成し、通常のPMMAと比較を行い、抗菌性義歯床用材料としての有効性を検討した。 PMMAに配合するTiHAの配合率が0%のものを対照群,3%,6%,9%のものを実験群とし,各種試験材料を作成した.各試験材料はSEM,SPM,XPSで表面性状の評価を行った後,機械的物性を圧縮破壊試験により実験群と対照群で比較した。また,タンパク質付着性の評価を水晶振動子マイクロバランス(以下,QCM)装置を用い牛血清アルブミン(以下,BSA)を対照に行い、加えて黄色ブドウ球菌を対照にバイオフィルム形成量の評価を行った。さらにMTT法により細胞毒性を評価した. 各種表面観察によりTiHA-PMMAはレジン表面にアパタイト結晶が確認された.バイオフィルム形成量とタンパク質付着性の評価から,TiHA-PMMAはTiHAの配合率が高い程汚れや細菌が付着しにくいという結果が得られた.圧縮破壊試験の結果では対照群と実験群では強度に有意差が認められなかった.そして細胞毒性試験でもTiHA-PMMAは細胞への為害性は確認されなかった. 以上の結果よりTiHA-PMMAは抗菌性を獲得しつつ,機械的物性を損なわない義歯床用材料として有用であることが示唆された.
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