2021 Fiscal Year Research-status Report
口腔機能低下症患者に対する口腔リハビリテーションのエビデンス構築
Project/Area Number |
20K18653
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
森岡 裕貴 大阪歯科大学, 歯学部, 講師(非常勤) (20838081)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 口腔機能低下症 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会に突入した日本では、高齢者のQOLに大きく関わりのある『口から食べる』機能の維持・向上の重要な鍵となる“口腔リハビリテーション”が注目されている。リハビリテーションの機能回復効果は多く報告されているものの、具体的な口腔リハビリテーションの処方についてのエビデンスは不足しているのが現状である。 本研究は、低舌圧を伴う口腔機能低下症患者において、舌に対する筋機能訓練前後の運動誘発電位(MEPs)を測定し、嚥下機能向上に必要な運動強度、頻度、時間についてのエビデンス構築を目的とする。さらには、被験者を有歯顎グループと無歯顎グループあるいは咬合支持ありグループと咬合支持なしグループで比較し、2次的アウトカムの検証を行う。 本研究結果より、低舌圧を伴う口腔機能低下症患者に対する有効な舌の筋機能訓練のエビデンスが確立できれば、機能訓練メニューの最適化が実現し、終局的には、咀嚼嚥下機能障害の前駆的可逆的状態にある口腔機能低下症患者の口腔機能維持および向上のための管理が可能になる。 本年度は、口腔リハビリテーションの効果を見るための装置である経頭蓋磁気刺激法(Transcranial Magnetic Stimulation: TMS)を用いて、舌筋の運動を司る部位を刺激するトレーニングを行い、円滑なデータ収集が行える環境を整えた。倫理委員会の承認も既に得られているため、今後は、効率よく被験者のリクルートを行い、プロジェクトの遂行に努める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度に引き続き、COVID-19の蔓延の影響により、被験者のリクルートが困難な状況にあるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の被験者のリクルートについては、前年度に引き続き制限があったが、次年度は比較的緩和傾向にあるため、計画的にデータ収集を実施し、プロジェクトの円滑な遂行を目指す。
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Causes of Carryover |
購入した物品の価格が予算よりも低かったため。次年度の物品費に補填し、円滑な実験遂行のため消耗品の購入に充てる予定である。
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