2022 Fiscal Year Research-status Report
口腔機能低下症患者に対する口腔リハビリテーションのエビデンス構築
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20K18653
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
森岡 裕貴 大阪歯科大学, 歯学部, 講師(非常勤) (20838081)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 経頭蓋磁気刺激 / 低舌圧 / 口腔機能低下症 / 運動誘発電位(MEPs) |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、低舌圧を伴う口腔機能低下症患者において、舌に対する筋機能訓練前後の運動誘発電位(MEPs)を測定し、舌筋力向上に必要な運動強度、頻度、時間についてのエビデンス確立を目的とした研究である。本研究により、低舌圧を伴う口腔機能低下症患者に対する有効な舌の筋機能訓練のエビデンスの確立ができれば、機能訓練メニューの最適化が実現し、終局的には、咀嚼嚥下障害の前駆的可逆的状態にある口腔機能低下症患者の口腔機能維持・向上のための管理が可能になるものと期待される。 当該年度の研究実績についてであるが、以下の3点である。 1.研究対象となる被験者は低舌圧を伴う口腔機能低下症の高齢者であるが、機器を正確に扱い、測定と解析が行えるようにすることが重要であると考えた。そこで、まずは健常若年者にて経頭蓋磁気刺激(TMS)に対する舌筋運動誘発電位(MEP)の振幅などの神経可塑性変化パラメータと舌圧などの口腔機能パラメータを筋機能訓練介入前後で総合的に分析し,筋機能訓練の効果および持続性を検討した。被験者間で舌表面の湿潤度に差異があるため、舌電極の貼付や保持に影響があることが分かり、改善点を探索した。 2.前年度に引き続き、参考文献を調べ、論文執筆に関連する過去に示されたエビデンスと本研究課題で得られたエビデンスの関連性についての考察を行った。 3.健常若年者で検討を重ねた後に、高齢者の被験者一名に対して、研究参加の同意を得た。予定被験者数を考えると現在少し遅れているが、被験者の獲得方法に修正を加え引き続き被験者の獲得に努めていく(最終被験者数20名)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データ収集およびその解析については、予定していたペースよりは少し遅れている。 その理由であるが、機器を正確に扱い、測定と解析が行えるようにすることが最重要であると考え、まずは健常若年者にて経頭蓋磁気刺激(TMS)に対する神経可塑性変化パラメータと口腔機能パラメータを筋機能訓練介入前後で総合的に分析し,筋機能訓練の効果および持続性を検討したためである。 次年度は円滑に行うことができるよう被験者の収集方法に修正を加える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策については、以下の2点である。
1.低舌圧を伴う口腔機能低下症の高齢者において舌挙上訓練前後でMEPs の測定を行い、舌筋力向上に必要な運動強度、頻度、時間についてのエビデンスの確立のためのデータを収集する。 2.残存歯数や咬合状態など被験者のプロファイルを分析し、舌の訓練の効果に関連する因子の有無を検証する。
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Causes of Carryover |
研究協力者のリクルートが計画通りに進まず、データ収集関連消耗品の購入および研究協力者への謝礼のための経費が未使用となり、次年度繰り越す事態が生じた。 現在、データ収集を進めているため、消耗品の購入や研究協力者への謝礼に充てる。また、次年度は研究成果についての学会発表のため、学会参加費や旅費にも支出予定である。
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