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2021 Fiscal Year Research-status Report

細胞老化におけるマイトファジーの役割

Research Project

Project/Area Number 20K18655
Research InstitutionFukuoka Dental College

Principal Investigator

山口 真広  福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (80824268)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords細胞老化 / SA-beta-Gal / 擦過上皮細胞 / LC3 / Beclin1 / オートファゴソーム / オートファジー / マイトファジー
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、上皮細胞における細胞老化とオートファジーおよびマイトファジーの相互作用を主体に検討を行った。上皮細胞についてはin vivoにおいては細胞診法を応用して、ボランティアからの擦過上皮細胞を用いた免疫細胞学的検索を実施した。細胞老化マーカーであるSA-beta-Gal発現については、若年者と比較して老齢グループからの擦過上皮細胞に陽性所見を多く認めた。陽性上皮細胞は、錯角化細胞で発現することが明らかとなった。また、陽性細胞においては位相差所見として細胞内蓄積物を認め、SA-beta-Gal発現と併せこれらの形態変化が細胞老化の判定基準になり得ることを確認した。オートファジー・マーカーであるLC3とbeclin1 (BECN1)の発現検索については、SA-beta-Gal発現細胞に一致してこれらのマーカーが発現する傾向を認めた。また、LC3陽性オートファゴゾームの局在は、細胞内老化沈着物と一致する傾向が得られた。しかしながら、細胞免疫学的オートファゴゾームの検出は、細胞老化マーカーが陰性である若年グループにおける一部の擦過上皮細胞にも発現した。この結果は、若年グループでの陽性細胞は環境刺激によりオートファジーが誘導されている可能性を示唆したものと考えた。次に、in vitroにおける培養ケラチノサイト(KC)のHaCaT細胞における細胞老化の誘導実験を行った。細胞老化の誘導には、H2O2刺激により細胞内ROS蓄積による細胞老化誘導法(ROS誘導細胞老化)と抗がん剤であるEtoposide(ETO)によるDNAダメージ反応(DDR)による誘導法(DDR誘導細胞老化)の二つを試みた。両誘導法によりHaCaT細胞ではSA-beta-Gal発現が亢進し、細胞老化が誘導されることを確認し、実験で用いる誘導法を確立した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

調書に記載した研究計画に従って実施した結果、おおむね期待した結果が得ることが出来ている。本年度は、細胞老化の誘導へのオートファジーおよびマイトファジーがどのように関与するかを検討する予備段階として、上皮細胞における細胞老化とオートファジーのマーカー発現とその意義を主体として検討した。検討材料としては、in vivo検索としての各年齢層殻の擦過上皮細胞およびin vitro検索としてヒト・ケラチノサイトであるHaCaT培養細胞を用いて各種マーカーの染色を行った。その結果、細胞免疫化学的検索ではあるが、上皮細胞への細胞老化誘導はオートファジーにより制御を受けている可能性を示唆する結論が得られた。また、培養細胞への細胞老化法としてROS誘導法およびDDR誘導法を確立することが出来た。これらの結果は、細胞老化へのオートファジーおよびマイトファジーの役割を検索するために重要な基礎データであると考える。

Strategy for Future Research Activity

令和4年度は、「オートファジーおよびマイトファジーによる細胞老化の抑制法」を中心に研究を進めて行く。現時点では細胞老化の誘導がオートファジーにより制御される可能性についてのデータは得られているが、マイトファジーの関与については不明である。そこで、擦過上皮細胞ならびに培養ケラチノサイト(KC)におけるマイトファジー関連因子の発現変化を検索する。またマイトファジー関与については、細胞老化に伴うミトコンドリアの変化について併せて検討をする。オートファジーおよびマイトファジーの細胞老化誘導への関与を明らかにするために、阻害実験ならびに促進実験を企図する。具体的には、培養KCに阻害剤の投与あるいは遺伝子ノック・ダウンを誘導して、ROS誘導法およびDDR誘導法による細胞老化の誘導を試みる。その結果、細胞老化誘導あるいはアポトーシス誘導への影響を検索する。予備実験においては、オートファジー抑制により低濃度での細胞老化誘導およびアポトーシス誘導の亢進が認められているので、その実験結果を確かなものとする。さらに、オートファジーおよびマイトファジーを薬剤あるいは遺伝子導入法により亢進させた細胞を作製してROS誘導法およびDDR誘導法による細胞老化への影響を検討する。これらの結果から、オートファジーあるいはマイトファジーの適切な誘導が細胞老化を制御できる可能性を明らかにする。

Causes of Carryover

コロナ禍において十分に計画通に計画を進めることができなかった。

  • Research Products

    (2 results)

All 2021

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] Low Concentration of Etoposide Induces Enhansed Osteogenesis in MG63 Cells via Pin 1 Activation2021

    • Author(s)
      Hiroki Nakashima,Madoka Yasunaga,Mizuki Yoshida,Masahiro Yamaguchi,Saki Takahashi,Hiroshi kajiya,Sachio Tamaoki,Jun Ohno
    • Journal Title

      Journal of Hard Tissue Biology

      Volume: 4 Pages: 175-182

    • DOI

      10.2485/jhpb.30.175

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Book] Role of autophagy in dysregulation of oral mucosal homeostasis. INFLAMMATION AND ORAL CANCER From Bench to Bedside.2021

    • Author(s)
      Madoka Yasunaga, Masahiro Yamaguchi, Kei Seno, Mizuki Yoshida, Jun Ohno.
    • Total Pages
      25
    • Publisher
      ACADEMIC PRESS(London)

URL: 

Published: 2022-12-28  

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