2020 Fiscal Year Annual Research Report
橋結合腕傍核の低酸素応答が惹起する口腔顔面痛に対するオレキシン疼痛抑制機構の解明
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20K18666
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
片桐 綾乃 大阪大学, 歯学研究科, 講師 (40731899)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 睡眠時無呼吸 / 慢性間歇的低酸素 / 口腔内感覚過敏 / 三叉神経節 / TRPV1 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、睡眠障害と疼痛の関係が注目されている。慢性疼痛患者の約9割が睡眠に問題を抱えているが、その脳内メカニズムの詳細は不明である。慢性的に睡眠時に低酸素状態に陥る睡眠時無呼吸患者では、体性感覚閾値が低下することが報告されている。この睡眠時の間歇的低酸素が、体幹だけでなく、三叉神経領域の特発性疼痛の要因の一つになりうると仮説を立てた。そこで本研究は、慢性間歇的低酸素負荷によって誘発される口腔顔面領域の体性感覚閾値の低下、および三叉神経系の可塑的変化のメカニズム解明を目的とした。 SD雄性ラットに対し、明期(睡眠時間帯)に間歇的低酸素状態を16日間負荷した。対照群は、正常酸素状態で飼育した。カプサイシン(TRPV1作動薬)点眼により角膜の痛覚を、カプサイシン溶液の飲水選択性により口腔内の痛覚を評価した。間歇的低酸素負荷群では、カプサイシン点眼に対する瞬目回数が増加し、カプサイシン溶液の飲水選択性が低下した。また、明期の間歇的低酸素負荷を中断すると、角膜および口腔内のカプサイシンに対する感覚閾値低下が回復した。すなわち、明期の間歇的低酸素負荷が口腔顔面領域の体性感覚閾値低下を惹起したと考えられる。さらに、三叉神経節において、C線維をもつ神経細胞体で発現が認められるTRPV1の発現増加、およびサテライトグリア細胞の活性化が認められた。 以上より、明期の慢性間歇的低酸素負荷は、TRPV1発現の増加から末梢のC線維の感作を生じさせた結果、器質的変化を伴わずに、口腔顔面領域の体性感覚閾値低下を惹起することが証明された。
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Research Products
(3 results)