2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of diagnostic system for neck lymph node metastasis in oral cancer using artificial intelligence
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20K18668
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小畑 協一 岡山大学, 大学病院, 助教 (80845389)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 口腔癌 / 頸部リンパ節転移 / 画像検査 / 多変量解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔扁平上皮癌の頸部リンパ節転移に関して、革新的なシステムを構築するために研究を進めている。今まで症例を限定して統計学的検討を行っていたが、令和3年度は再発症例や化学療法、放射線療法を併用した症例にも範囲を広げ汎用性を高めた。術前に化学療法や放射線療法を行ったか、また再発症例か初発症例かをそれぞれ2値化し、判別分析内に組み込んだ。その結果リンパ節のCT値、SUVmax値、顎下リンパ節に転移を有するかどうか、化学療法や放射線療法を行ったかどうかの4因子が抽出され、その判別率は88.6%となった。なお再発症例か初発症例かに関する因子は赤池情報量基準(AIC)を用いたモデル選択にて排除された。 また病理組織学検討も適宜進めている。原発および頸部リンパ節を上皮分化マーカーであるサイトケラチン-13(CK-13)と-17(CK-17)でそれぞれ染色し、重回帰分析を行った。その結果リンパ節のCT値、SUVmaxとともにCK-13、CK-17の2因子とも重要な因子として抽出された。CK-13とCK-17の染色状況をカテゴリー化し画像因子と単変量的に比較検討したところ、上皮内腫瘍に好染するCK-17だけでなく、正常口腔粘膜に好染するCK-13の染色状況もリンパ節転移に大きく関与することが判明した。CK-13、CK-17は主に上皮異形成の状況を鑑別するために用いられる抗体ではあるが、われわれは本結果からリンパ節転移を疑う患者の病理組織学的検査時にも有用ではないかと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
該当症例の集計作業、基本的な統計学的検討はすでに終了している。現在は原発および頸部リンパ節の免疫組織学的染色を順次進めており、検討項目の中でもCK-13およびCK-17の染色は終了し、統計学的検討もほぼ終了した。ただその他の免疫組織学的染色に関しては、抗体の納期遅れがあり十分には進んでいない。そのため別の実験系としてrealtime-PCRを先に進めている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はCK-13、CK-17だけでなくがん抑制遺伝子であるp53や増殖細胞マーカーであるKi-67も染色を進めてゆき、どのような因子がリンパ節転移に大きく関与するかを総合的に検討する。また通常のH-E染色における分化型、Yk分類、worst pattern of invasion (WPOI)、簇出等も評価項目に追加する。ただし抗体の納期遅れがあるため、別実験系で進めているrealtime-PCRを用いて遺伝子発現解析も併せて行うこととする。
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Causes of Carryover |
抗体の納期遅れ、国外学会への参加が不可能であることから、当該年度の予算を次年度へと繰り越した。使用計画については、次年度、免疫組織学的染色およびrealtime-PCRを用いた解析に必要な物品費などに充当する。
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