2023 Fiscal Year Research-status Report
薬剤関連顎骨壊死の治療予後に寄与する骨膜反応の放射線学的および病理組織学的解析
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20K18672
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
林田 咲 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 客員研究員 (40644050)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 薬剤関連顎骨壊死 / 手術療法 / 骨融解 / 骨硬化 / 骨膜反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
薬剤関連顎骨壊死(Medication-related osteonecrosis of the jaw)は保存療法と比較して手術療法の優位性が示されるようになったが、治癒に至らない症例もある。手術における予後不良因子を検討することは今後の手術方法の改善を検討し、治療成績の向上を目指すうえで非常に臨床的な意義がある。これまでわれわれは、骨膜反応を有する患者の治療成績が不良であることに注目して報告してきたが、細菌性骨髄炎の骨膜反応とは異なり、その本体や臨床的意義は解明されていない。今回の研究は骨膜反応を放射線学的に詳細に検討することと、多機関共同研究により骨膜反応の予後因子としての意義を明らかにし、最終的には薬剤関連顎骨壊死に対する適切な手術方法の確立を目指すものである。 2022年度は本施設の歯科放射線科の協力のもと複数の歯科放射線科医および口腔外科医とともに週1回薬剤関連顎骨壊死の病態画像を見ながら病変部の骨融解、骨膜反応、骨硬化の種類を検討し、分類の精度を向上した。また、これまでの研究結果や経過報告と今後の展望について、第42回日本骨形態計測学会シンポジウムで招待講演を行った。2023年度は第66回日本口腔外科学会総会シンポジウムの薬剤関連顎骨壊死に関する講演内容を日本口腔外科学会雑誌(第69巻第3号、2023年)の総説に発表した。2024年はこれまでの研究報告および今後の展望について第78回NPO法人日本口腔科学会学術集会において指名報告を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本施設の歯科放射線科医や薬剤関連顎骨壊死の研究・臨床に携わっている口腔外科医と研究の課題や解決策について議論を進めるうえで内容の精度が上がり、結果として収束するまでに想定以上の日程と時間がかかってしまった。そのため、研究報告としての論文が完成するまでにやや遅れが生じてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究データの解析結果をまとめた論文を海外論文雑誌に投稿する。 また、第78回NPO法人日本口腔科学会に指名報告での発表を行う。
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Causes of Carryover |
コロナ情勢により現地参加や施設訪問・ミーティングなどが自粛を含め中止・延期となった結果、収集した情報の精査や検討に至るまで期間がかかった。2024年度はデータ解析の精度をあげるため情報収集のための学会参加、論文作成費、学会発表や講演の旅費等に使用予定である。
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