2021 Fiscal Year Research-status Report
多血小板血漿を用いた放射線性口腔粘膜炎治療薬の確立
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20K18676
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
宮本 大模 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (10571680)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 放射線性口腔粘膜園 / Platelet Rich Plasma / 非吸収性液状機器 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は前年度に引き続き、当科で開発した放射線性口腔粘膜炎ラット舌モデルを使用して、放射線によって引き起こされた口腔粘膜炎へのエピシル口腔溶液による作用の解析を予定し、新規にラットを購入する予定であったが、使用する施設の都合もあり、これまで採取した舌からタンパクを抽出することとした。エピシル口腔溶液の使用が組織内サイトカインの放出を低減させる抗炎症作用を直接発揮するか否かについて、電気泳動によるタンパク質発現解析をおこなったが、タンパク抽出に難渋し、また、新型コロナウィルスの影響もあり、試薬の入手が困難であり、タンパク発現の有意差を確認できるまで至らなかった。有意な解析が出た際には組織内サイトカインの産生量を定量化するため、CBB染色もしくは炎症性マーカーを抗体として用いたウェスタンブロット法での解析を予定していたが、断念せざるを得なかった。これまでのところ、局所管理ハイドロゲル創傷被覆・保護材である、エピシル口腔溶液はそれ自体による抗炎症作用は確認できていない。そのため、本来の研究目的である、Platelet Rich Plasma(PRP)の貼付にゲル状のエピシル口腔溶液が維持するために有用と考えられるため、将来的には臨床応用に向けて、臨床研究への橋渡しをしていきたいと考えている。また、これまでは液状化ゲルを用いてPRPを貼付することを検討していたが、当科で目下研究中の口腔内用フィルムもPRP貼付に役立つ可能性があるため、そちらでのPRP貼付も検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの影響もあり、実験動物の購入や試薬の入手が困難であった時期があり、研究進行に大きく影響を与えた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究に関しては、これまで非吸収性液状機器が有する口腔粘膜炎に対する有効性を多角的に再検討することを目指す。抗炎症性効果のほか、抗酸化作用の有無なども視野にいれ、さらなる有効性を検討する。その上で、非吸収性液状機器の有効性を上回ると予想されるPRPを用いて口腔粘膜炎に対する新たな治療法を確立していく。上記のような基礎研究での結果が得られ次第、特定認定再生医療等委員会や名古屋市立大学臨床試験審査委員会の承認を受けた上で、臨床応用へ向けた臨床試験を計画する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス蔓延による学会出張がなかったことや施設使用制限により予定していた実験が施行できなかったことから次年度使用額が生じた。 次年度、未施行の実験を行うためや学会出張費として使用する予定。
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