2020 Fiscal Year Research-status Report
歯肉癌悪性化における癌内線維芽細胞の役割の解明と治療への応用
Project/Area Number |
20K18680
|
Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
星野 照秀 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (80801505)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 歯肉癌 / NOGマウス / 転移 / 再発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は難治性歯肉癌の転移再発に対して間質に多く存在する癌内線維芽細胞 (carcinoma-associated fibroblasts : CAFs)に注目している。CAFsは癌細胞の浸潤、転移や治療抵抗性獲得に関与していることが知られているが、分子機構はまだ不明な点が多い。以前に研究協力者によってヒト由来大腸癌細胞が単一細胞ではなく、上皮および間葉系の性質を呈した癌細胞集合体を形成することにより効率的に浸潤・転移することが明らかにできたため、今回はヒト歯肉癌由来CAFsを抽出してヒト歯肉癌の浸潤、転移や治療抵抗性獲得に与える影響を解明する。また、CAFsとヒト歯肉癌細胞の相互作用を媒介する遺伝子やシグナルの同定し、歯肉癌悪性化や治療抵抗性獲得を抑制する新規根治療法の基礎を前臨床マウスモデルを用いて確立することを目標とする。 2020年度はヒト歯肉癌由来CAFsの抽出のため、倫理審査委員会へ申請を行い、承認を得ることができた。予備実験として他部位の癌組織を使用して実際の前処理およびCAFsの抽出を行った。また、癌組織をNOGマウスへ移植も行い、歯肉癌で同様の過程を行えるように実験手技を確認した。実際に歯肉癌でのNOGマウスへの移植を行い、検討課題も見えてきた。 当初の予定では2020年度に歯肉癌の検体を8~10例を採取している予定であったが、及ばなかったため、2021年度に多くの検体を採取していきたいと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度は倫理審査委員会の承認を得られるのに予想よりも時間を要したため、歯肉癌の検体を目標の症例数まで採取することができなかったが、実験手技や実験の流れの確認はできた。2021年度に多くの検体を採取して、計画に沿った研究を進めていきたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年度は多くの臨床検体を採取して、計画に沿った研究を進めていきたい。また、NOGマウスを購入して、ヒト歯肉癌組織由来のPDXマウスの樹立、およびCAFsの抽出を行っていきたい。
|
Causes of Carryover |
次年度使用額に加えて、2021年度分の予算ではNOGマウスの購入と実験抗体、実験用品の購入を予定している。
|