2020 Fiscal Year Research-status Report
内因性カンナビノイド機構の中枢性制御に着目した神経障害性疼痛の新規治療戦略
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20K18688
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
上村 藍太郎 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (00804535)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 内因性カンナビノイド / 神経障害性疼痛 / 口腔顔面痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで2-AGによる痛みの調節機構の解明は、脊髄神経支配領域が対象であった。しかし口腔顔面痛の基盤となる三叉神経系の疼痛処理機構は、脊髄神経系と多くの点で異なる。よって脊髄疼痛処理機構を、三叉神経支配領域である口腔顔面部の痛みモデルに適用できない。 そこで本研究では、歯科臨床の視点から、内因性カンナビノイド機構による痛みの調節機能を、三叉神経脊髄路核尾側亜核レベルで明らかにすることを目指している。本年度は、口腔顔面領域の神経障害性疼痛において、中枢神経系の内因性カンナビノイド機構の疼痛抑制能に影響を与える因子を探索した。内因性カンナビノイドを薬理学的に変化させた結果、神経細胞の他に何らかの細胞が疼痛抑制能に影響する可能性が示された。この結果は、中枢神経系の内因性カンナビノイド機構が関わる神経障害性疼痛の病態基盤の解明につながるともに、内因性カンナビノイド機構をターゲットとした神経傷害性疼痛の治療につながると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ対応による県外への移動制限により当該期間に実験を行えず、当初の計画より遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
口腔顔面領域の神経障害性疼痛モデルを使用して、中枢神経系の内因性カンナビノイド機構の疼痛抑制能に影響を与える細胞を同定し、定性的、定量的評価を行う。またこれらの細胞が内因性カンナビノイドの疼痛抑制能に与える影響を評価する。
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Causes of Carryover |
当初の計画通り、次年度以降も組織学的解析、行動実験を研究を継続し、研究成果を発表する予定としている。
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