2021 Fiscal Year Research-status Report
Basic research of peptide cocktail vaccine to prevent oral cancer recurrence
Project/Area Number |
20K18702
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
宮本 昇 琉球大学, 病院, 助教 (80749565)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | がん幹細胞 / ペプチドワクチン / HLA / 口腔がん |
Outline of Annual Research Achievements |
がんは、大多数の非がん幹細胞と、ごく少数のがん幹細胞から構成 され、がん幹細胞は、自己複製能、多分化能、腫瘍形成能、更に化学療法、放射線療法に対する治療抵抗性を有することが明らかになっている。つまり、がん幹細胞は、再発・転移・浸潤の根源であり、且つアプローチ方法が非常に限定されるがん細胞の亜集団として、再発予防を考える際に最も優先的に排除すべき細胞と考えられる。がん幹細胞を標的とする治療に関しては、 我々は世界で初めて、がん幹細胞「のみ」を標的とする治療法ががんの抑制に有効であり、かつ十分な条件であることを発表した。また、がんの発生前にがん幹細胞特異的なCTLが体内にあることによりその後の腫瘍形成が抑制されること、つまりがん幹細胞を標的としたペプチドワクチンが再発予防に有効である点も発表している(Miyamoto S et al. Cancer Immunol Res. 2018)。この度、口腔がんの再発予防ペプチドワクチンの樹立を目標とし解析を行なった。我々はこれまでに、口腔がん幹細胞に優位に遺伝子発現を認める複数の遺伝子を同定している。現在はそのうちの遺伝子Oについて解析を進めている。遺伝子Oの遺伝子配列からin silicoで解析を進め、日本人に最も多いHLA-A24に結合するペプチドを推定し、その合成ペプチドを用いて特異的なCTLの誘導に成功した。特異的CTLは、複数の口腔がん細胞株から分離したがん幹細胞に対して、非がん幹細胞と比較して優位に細胞障害性を認めることができた。TCGAのデータベースを用いたシークエンス解析により、遺伝子Oは実際の口腔がん組織においても発現を認めることが確認され、更に正常組織においては発現していないことも確認された。以上より遺伝子Oは魅力的な新規の口腔がん幹細胞の標的因子となり、遺伝子O由来のペプチドは有効な治療手段となると考える。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究データが揃い、論文投稿の目処が立っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
遺伝子Oとその遺伝子由来のペプチドについては近日中に論文投稿予定である。他の候補遺伝子についても同様の解析を行い、論文発表予定である。
|
Causes of Carryover |
供用の物品が講座の予算等で購入したため次年度使用額が生じた。次年度の物品購入等に使用予定である。
|