2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K18704
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
岡本 準也 札幌医科大学, 医学部, 診療医 (10749592)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 口腔がん特異抗原 / がん免疫療法 / 口腔がん細胞株 / CTL |
Outline of Annual Research Achievements |
新規口腔がん細胞株作製のために、口腔がん生検の際の組織の一部を当該症例患者さんの承諾を得て採取し、無菌シャーレ内でごく小さな組織片に細断してPBMC培養液を用いて培養する。線維芽細胞の増殖が止まってから継代を繰り返しがん細胞のみの増殖を認める状態にすることを目的としている。また、同症例の患者さんのPBMC(リンパ球)を採取し、凍結保存する。がん細胞株を樹立した後に、PBMCと共培養することでリンパ球(CTL)が働き抗がん作用を認める。その際にCTLが認識している口腔がん特異的ながん抗原を同定することが最終目標であるが、当研究において未だがん抗原の同定には至っていない。 同研究と類似した方法で現在研究を行っている施設が見当たらず、過去に発表された論文や同施設内で同様の研究を行っていた研究者との交流によってさらなる革新的ながん抗原同定方法を模索中である。 学会参加については、口腔外科学会に参加し臨床的に最新の治療方法や基礎研究について聴講し、知識を高めている。論文作成については、当研究において一定の研究成果を出せていないため執筆は行っていない。 当研究を進めていく環境については整っており、現在はこれまでの研究方法について見直しを行い、さらに精度を高めて培養を行えるように検討している最中である。現在もいくつかのがん細胞を培養中であり、今後共培養を行いリンパ球による癌免疫について確認を行なっていく予定である。さらに、同研究を当講座において共同で研究していく人数を増やして継続して研究を行っていけるよう継承を行う必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
問題点の一つは、シャーレ内で培養した口腔がん組織は口腔内から採取していることから、口腔常在菌を含めて培養をしなければならないことである。そのため、培養シャーレ内で細菌の増殖が起こってしまうと当該研究の支障となってしまいそのがん細胞の培養はそれ以上行えない。さらに、シャーレ内で増殖をするがん細胞は、増殖能力が高いがん細胞であるが、低悪性度のがんは増殖能力が低いことが多くシャーレ内で思ったように増殖せず、細胞によってはそのまま死滅してしまうこともある。しかし、増殖能力の高いがん細胞(高悪性)は患者さんのがん治療も外科的切除を行う前に集学的治療として化学療法や放射線療法を組み合わせて治療を行う必要がある場合が多く、その場合には患者さんから採取するリンパ球も減少していたり免疫能力が低下していることがほとんどであるため、がん細胞株樹立とPBMCの培養がどちらも成功する確率が低いのが現状である。今後、さらに症例数を増やし共培養を行なっていく必要があるが、現状では共培養を行えた症例はない。
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Strategy for Future Research Activity |
口腔がん細胞株とCTLのペアを樹立して、口腔がんにおける特異的がん抗原の同定を目指しているが、がん患者さんの治療方針や培養中の感染などにより、このままでは同方法におけるがん抗原の同定は困難と考える。今後はがん抗原同定を別のアプローチ方法を模索することも並行して行なっていきつつ、これまで行なってきた方法をさらにブラッシュアップして数多く培養を行なっていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
研究が当初の予定通りに進んでおらず、必要な物品を購入する時期になっていないため。
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