2022 Fiscal Year Research-status Report
口腔扁平上皮癌の浸潤転移に関与するインテグリンβ8を標的とした核酸医薬の開発研究
Project/Area Number |
20K18726
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
櫻井 繁 広島大学, 医系科学研究科(歯), 専門研究員 (70781681)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | インテグリン / FAK / 免疫組織学的検索 |
Outline of Annual Research Achievements |
先行研究にて、インテグリンβ8発現と患者の生存率との相関性の可能性が示唆された。インテグリンβ8以外のインテグリンβサブユニットと口腔扁平上皮癌との間にも相関性を得られる可能性を考え、インテグリンβサブユニットを免疫組織学的に検索し、口腔扁平上皮癌の臨床病理学的因子(性別、年齢、発症部位、組織学的分化度、腫瘍サイズ、リンパ節転移の有無、Stage分類)および5年生存率との相関性の有無を検討した。 染色評価は、染色強度により、①全く染色されなかったもの、②弱染色、③強染色の三群にわけ、①を陰性、②および③を陽性と判定することで行った。各臨床病理学的因子および5年生存率との相関解析は、いずれも危険率 5%以下を有意差ありと判定した。 まず、インテグリンβ1、β3、β5を免疫組織学的に検索した。結果、インテグリンβ3、β5は、いずれも口腔扁平上皮癌細胞では発現を認めなかった。インテグリンβ1は口腔扁平上皮癌組織で発現を認めたが、臨床病理学的因子との相関は認めず、また5年生存率との間にも統計学的な有意差は認められなかった。 引き続き、インテグリンβ6および悪性腫瘍の増殖や予後に関連しているFocal Adhesion Kinase(FAK)を免疫組織学的に検索し、検討した。結果、FAKは病理学的因子および5年生存率と有意な相関は認められなかったが、インテグリンβ6は5年生存率との間に統計学的な有意な相関を認めた。 引き続き、リン酸化Focal Adhesion Kinase(pFAK)を免疫組織学的に検索し、検討した。結果、pFAKは病理学的因子との間に統計学的有意な相関は認められなかったが、5年生存率との間に統計学的な有意な相関を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍で研究時間の確保が困難であった。また、前年に身体を負傷し、その回復及びリハビリを優先した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き免疫組織学的検索を行い、統計学的に有意な差を認めたインテグリンおよびpFAKに対してsiRNAを設計・作成し、扁平上皮癌細胞に導入し、蛋白発現を Western Blotで解析していく。
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Causes of Carryover |
身体的負傷により一時的に研究が困難な時期があったこと、加えてコロナ禍の影響で使用予定物品の購入が困難だったため次年度の予算とした。
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