2021 Fiscal Year Research-status Report
identification of M2 macrophage-secreted factors involved in oral cancer relapse
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20K18733
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
大久保 牧子 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (10780611)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 口腔癌 / オルガノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔癌において治療後の再発は予後を著しく低下させるため、再発制御は重要な課題である。申請者はこれまでに治療により腫瘍内へ誘導されたCD11bを発現する骨髄細胞がM2マクロファー ジ(M2Mφs)へと分化し、再発に貢献することを見出した。M2Mφsはin vitroにおいて血管新生などの様々な腫瘍促進性を有することが報告され、治療の標的として注目されているが、複雑ながん微小環境におけるM2Mφsの役割や作用機序は明らかになっていない。特に再発におけるメカニズムや役割はほとんど分かっていないのが現状で、そこで本研究ではがん本来の微小環境を再現する目的で、がんオルガノイド培養の確立を試み、その中で口腔癌再発に関わるM2Mφsの多様な役割の解明を目的とした。本年度はヒト口腔扁平上皮癌細胞株のOSC-19細胞と、生検や手術で得たPatient-derived cell (PD cell)による2種類の口腔癌オルガノイドの作製を行った。まずはOSC- 19細胞株を用いてオルガノイドの作製を試みるため、OSC-19細胞に血管内皮細胞、間質系幹細胞を添加した懸濁液を専用の小型ディンプルプレートで三次元培養を行った。詳細な条件検討を行い培養方法を確立した後、細胞増殖、血管新生、薬剤耐性(シスプラチン,ドセタキセル,セツキシマブなど)、放射線感受性などを検討した。薬剤耐性は2次元に比較し、3次元培養において薬剤耐性が強まることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床検体を用いた口腔がんオルガノイドの作製率がやや低いことが原因で解析が予定より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
新たな方法でオルガノイド作成方法を確立したため、今年度は微小環境を変化させた系でさまざまなアッセイを行い、研究を推進する方針である。
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Causes of Carryover |
臨床検体を用いた口腔がんオルガノイドの実験で条件が安定しなかったため、その後の解析に進んでいないことにより試薬の購入が下回ったことが理由。今後はより多くの条件を試していく予定である。
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