2020 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the effect of basic fibroblast growth factor to prevent bisphosphonate-related osteonecrosis of the jaws
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20K18734
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
今田 光彦 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 博士研究員 (10834054)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ケラチノサイト / ビスフォスフォネート製剤 / 軟組織毒性 / BRONJ / 人工骨 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究目標は、ゾレドロン酸(ZA)の口腔上皮細胞の増殖抑制作用に対し、bFGFの投与により相対的な効果を得られるかin vitroで検証することである。使用する細胞はラットの口腔上皮細胞(ケラチノサイト)で、まず自ら単離したケラチノサイトで予備実験を行い、その後購入したケラチノサイトで本実験を行うこととした。Landesbergらの報告を参考に歯肉ケラチノサイトを単離。ZA混和群と非混和群に分け、それぞれ培養を行った。週に2回培地交換を行い、2週間培養し細胞数を計測。約0.14mMで調整したZA混和群で細胞増殖の低下を認めた。次に購入したケラチノサイトで実験を行う予定としたが、COVID-19の蔓延により入手に時間がかかり、現在購入した細胞を増殖させ継代しストックしている状況である。 その間の代替実験として、BRONJ発症モデルに人工骨(β‐TCP)を填入し、抜歯窩の治癒について検証した。過去にβ‐TCPを担体としてbFGF以外の別の成長因子を作用させBRONJの発症予防に関連するか検証したところ、成長因子の有無に関与せずβ‐TCPを填入すると明らかな顎骨壊死は認めなかった。ビスフォスフォネート製剤はリン酸カルシウムに沈着し、抜歯を行うことで歯槽骨から遊離し周囲軟組織への為害作用を発揮するとの仮説があり、遊離したビスフォスフォネート製剤が填入したβ‐TCPに吸着することで為害作用が軽減したと仮説を立て、その検証を行った。BRONJ発症モデルにβ‐TCPを填入し、抜歯後1週でβ‐TCPと周囲肉芽組織を摘出しZA濃度を検証したところ、β‐TCPからは本来検出しないZAを検出し、またβ‐TCPを填入しない群と比較すると肉芽組織中のZA濃度の減少を認めた。またβ‐TCPを填入した群では抜歯窩の粘膜・骨性治癒を認めており、今後さらに数を増やし検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19蔓延の影響により実験器具、細胞、培地など、入手が不安定となった時期があり実験が遅れた。また計画を変更し実験を行ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
ZAを混和した培地にbFGFを混和する群と、混和しない群に分けケラチノサイトの細胞増殖数を比較する。また細胞数に変化を及ぼすbFGFの濃度を検討する。 人工骨の填入によるBRONJの発症予防効果についてさらに検討を行う。具体的には実験数を増やし、その機序について分子生物学的に検討する。
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Causes of Carryover |
当初予定していた実験が滞ってしまったため、当初の計画を変更し別実験を実施。その実験に必要な物品を購入したところ、上記の差額が生じた。次年で当初の研究を再開するため、実験器具を購入する予定である。
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