2023 Fiscal Year Annual Research Report
TPD52ファミリータンパクを介するスプラバシンのオートクライン機構の検索
Project/Area Number |
20K18738
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
宮本 裟也 昭和大学, 歯学部, 助教 (60867737)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / 低酸素 / スプラバシン / 血管新生 / 細胞浸潤 / アポトーシス / オートファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
SBSNは食道や皮膚の細胞で発現し、口腔扁平上皮癌細胞の増殖と転移に重要な役割を果たすことが知られている。SBSNは未だ機能を含めてはっきりと解明されていない分泌タンパク質である。そこで本研究では低酸素下の口腔扁平上皮癌細胞におけるSBSNの発現および機能について検索した。 研究方法として、低酸素条件下(酸素分圧5%)に曝露した口腔扁平上皮癌細胞における2SBSNの発現を調べた。次いでSBSNをノックダウンおよび強制発現した細胞でMTT Assayおよびcaspase3/7の活性測定を行いオートファジーとアポトーシスの影響について検索した。さらに、オートファジーやアポトーシスタンパクの発現についてウェスタンブロットにて解析を行った。同様の条件下でInvasion AssayとTube formation Assayを行い細胞浸潤と血管新生について検索した。 研究の結果、SBSNのmRNAおよびタンパク質の発現は低酸素下の口腔扁平上皮癌細胞で増加した。口腔扁平上皮癌細胞の中でも特にSAS細胞で著しい増加がみられたMTT AssayにおいてSBSNをノックダウンした細胞は生細胞数の増加を認め、強制発現した細胞では低下を認めた。ノックダウンした細胞でオートファジーが進むのに対して強制発現した細胞では抑制される結果となった。Caspase3/7活性はノックダウンおよび強制発現した細胞における有意差を認めず、アポトーシスには影響を与えないことがわかった。Invasion AssayとTube formation AssayからSBSNは低酸素下で細胞浸潤や血管新生を増強することがわかった。すなわち、SBSNはオートファジーを誘導するよりもむしろ細胞浸潤、血管新生を誘導することによって細胞死抵抗性に関与することが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)