2020 Fiscal Year Research-status Report
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20K18753
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
藤田 瑛 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (90847188)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 小帯形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯列、発音、口腔清掃は、小帯の形態に大きな影響を受ける。小帯が高位であったり、短い場合には強直症となり、発音障害や歯列不正など様々な問題を引き起こす。強直症治療後に、発音障害、歯列不正が残存した場合、その処置には長い時間を要することがある。将来、強直症になる小帯を予測し、早期に対処することが望ましいが、小帯形成メカニズムは全く明らかとなっていない。一方、Oral facial digital typeI (OFD1) 症候群をはじめとする複数の遺伝性疾患の患者には強直症が認められることは、小帯の異常が偶然に生じるものではなく、特定のメカニズムに沿って引き起こることを示している。本研究課題は、小帯発生メカニズムの解析から、強直症の発症機構を明らかにすることを目的としている。Ofd1の部位特異的欠損マウスであるOFD1;Osr2Creマウスに小帯の欠損を認めた。過去にLgr5欠損マウスとTbx22欠損マウスで小帯の欠損が報告されている。小帯形成直前の胎生11日の下顎突起におけるLgr5とTbx22の発現が、Osr2Cre発現領域とオーバーラップすることを見出し、その部位が小帯形成領域である可能性が示された。OFD1;Osr2Creマウスの表現型から、小帯がanterior-posterior axisではなく、lingual-buccal axisで形成する可能性が高いことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小帯形成を担っている部位の特定、ならびに小帯の形成方向が明らかにできたことは、今後の研究を進めるにあたり、大きな成果と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、小帯形成領域における細胞増殖や細胞の極性を検索する。また、小帯形成領域におけるnon-canonical Wntシグナルの活性も確認する。さらに、WTマウスを利用して、小帯形成領域にlingual-buccal axisでの細胞移動を障害するような物理的なダメージを与えることで、舌小帯の形成不全が引き起こるか確認する。
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