2020 Fiscal Year Research-status Report
矯正学的歯の移動の促進に向けた低出力超音波パルスによる骨改造亢進効果の検討
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20K18773
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
坂本 麻由里 東北大学, 大学病院, 医員 (20846422)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 矯正学的歯の移動 / 低出力超音波パルス / 骨改造 |
Outline of Annual Research Achievements |
数年間に及ぶ長期間の矯正歯科治療は、う蝕や歯周病、歯根吸収の発生に関与するため、治療期間の短縮は非常に重要である。低出力超音波パルス (LIPUS) は、矯正学的歯の移動を促進させる可能性が示唆されるが、そのメカニズムは不明である。本研究では、マウス実験的歯の移動モデルおよびマウスから単離した骨改造に関与する初代培養骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞を用いて、in vivo、in vitroの系で解析を行い、矯正学的歯の移動時におけるLIPUSの影響を解明することを目的とする。 本年度は、C57BL/6マウスの上顎歯列に直径0.012インチのニッケル・チタン製ワイヤーを装着し、10gの荷重が水平的かつ持続的に上顎両側第一臼歯に加わるように調整し、上顎両側第一臼歯を頬側へ移動させると同時に、頬側からLIPUSプローブを固定しLIPUS刺激を負荷した。実験的歯の移動は21日間行った。LIPUS刺激を負荷せずに歯の移動のみを行ったマウスをコントロールとした。実験的歯の移動開始から経時的に上顎歯列の印象採得を行い、得られた石膏模型を用いて歯の移動量を測定し、LIPUS刺激の負荷による歯の移動距離の比較検討を行った。さらに、通法に従い、マウスを全身麻酔後に灌流固定し、上顎骨を摘出した。その後、摘出した上顎骨を20%EDTAにて2週間脱灰し、上昇アルコール系で脱水、透徹を行った後にパラフィンにて包埋した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
C57BL/6マウスを用いて、マウス実験的歯の移動およびLIPUS負荷モデルを作成し、経時的な歯の移動距離を測定することができた。さらに、実験的歯の移動後の上顎骨を摘出し、パラフィン包埋を行うことができた。しかしながら、本年度に予定していた組織切片の作成、およびその組織切片を用いた骨改造様相の組織形態学的観察や免疫組織学的検索は達成できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス実験的歯の移動およびLIPUS負荷モデルから組織切片を作成し、得られた組織切片を用いて、LIPUS負荷時の歯槽骨の骨改造様相を、組織形態学的および免疫組織学的に検討する。さらに、骨細胞にGFP発現させたC57BL/6-Tg(Dmp1-Topaz)トランスジェニックマウスから初代培養細胞を単離し、各細胞におけるLIPUS刺激応答性の解析をin vitroで行う。
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Causes of Carryover |
本年度は、マウスを用いたin vivoでの実験を中心に計画し、実験的歯の移動およびLIPUS負荷モデルの作成およびパラフィン包埋を行うことができたが、実験の進捗にやや遅れが生じ、組織切片の作成および組織形態学的解析や免疫組織学的検索を行うことができなかった。 次年度は、パラフィン切片を作成し、組織形態学的解析や免疫組織学的検索を行う。また、in vitroの系としてマウス初代培養骨細胞、骨芽細胞、骨髄細胞に圧縮・伸展力およびLIPUS刺激を負荷し、定量的RT-PCRやウェスタンブロット法による定量解析を行い、各細胞のLIPUS刺激の応答性について解析する。
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