2022 Fiscal Year Annual Research Report
ヒストンメチル基転移酵素EZH2は牽引力による歯根膜の骨芽細胞分化を制御するか
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20K18774
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 新 東北大学, 大学病院, 助教 (10805914)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
矯正的歯の移動の牽引側における歯根膜の恒常性維持のためには、骨形成を抑制する分子メカニズムが重要であるが、歯根膜における骨芽細胞分化の抑制的分子制御機構の全容は明らかではない。ヒストンメチル化酵素と転写因子によるOsx遺伝子発現のエピジェネティクス制御が、牽引力が負荷された歯根膜に作用し、骨芽細胞分化を抑制することにより、歯根膜の恒常性維持に寄与すると仮説を立てた。歯根膜細胞の骨芽細胞分化におけるOsx遺伝子のエピジェネティクス制御を明らかにするために以下の実験を行った。これにより、牽引力が促すエピジェネティクス制御による、未知の歯根膜恒常性維持機構の解明につながることが期待される。 本年度は主にマウス骨芽細胞様細胞株(MC3T3-E1)を用いて以下の実験を行いデータ解析を行った。 ・MC3T3-E1細胞にメカニカルストレスを負荷した際、骨芽細胞分化のマスター調節遺伝子であるOsx遺伝子発現に関与する転写因子およびヒストンメチル化酵素の遺伝子発現変化を以下の方法で調べた。骨芽細胞様細胞株をシリコーンチャンバーに播種し、伸展機を用いて伸展力を負荷し、その後細胞から回収したRNAを逆転写し、RT-PCRを用いて、メカニカルストレスによる各遺伝子の発現変化の解析を行った。骨芽細胞様細胞株MC3T3-E1においてはメカニカルストレス負荷により、Osx遺伝子発現に関連する転写因子およびヒストンメチル化酵素遺伝子発現が変化することが示唆された。
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