2020 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of the interaction between FAK and selective autophagy and Establishment of effective treatment for temporomandibular joint disorders with regulation of selective autophagy
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20K18781
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
矢野下 真 広島大学, 病院(歯), 歯科診療医 (20823199)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 変形性顎関節症 / TMJ-OA / オートファジー / 機械的負荷 |
Outline of Annual Research Achievements |
変形性顎関節症(T M J‐O A)におけるオートファジーの役割を検討するとことを目的に、以下の検討を行っている。 まず、ラットT M J‐OAモデルを用い過開口状態を維持することで顎関節に過度な機械的負荷を付与した状態で2週間飼育した後、灌流固定を行い、組織切片を作成した。 ヘマトキシリンエオジン(HE)染色、サフラニンO染色および免疫組織染色を行った。HE染色においてH-E染色においてT M J‐OA群では正常な軟骨の層状構造が崩れており、線維細胞層での細胞数減少および増殖層における軟骨細胞の形態異常が認められた。また、サフラニンO染色軟骨基質の染色性の低下が認められた。免疫組織染色では炎症マーカーであるIL-1β、COX-2基質分解酵素であるMMP‐3、MMP‐13のタンパク発現が亢進していることからTMJ-OA様の変化が起きていることを確認した。オートファジー関連因子であるm-TOR、LC3およびRubiconのタンパク発現について免疫組織学的検討を行ったところ、オートファジーが抑制されている可能性が示唆された。今後はT M J‐OAモデルがオートファジーに及ぼす影響について網羅的に解析を行う予定である。 次いで不死化ヒト軟骨細胞に対し、炎症反応を惹起するため、現有のコンピューター制御下細胞伸展装置Flexer Strain Unitを用い細胞を機械的に変形させ、炎症反応および基質分解酵素の遺伝子発現量の変化について定量PCR検討を行う予定であったが細胞のコンディションニングが不良でありこれまで当科で安定的に培養を行っているATDC5に変更し同様の実験を進めている。今後は、機械的負荷がオートファジー因子発現に及ぼす影響およびそのメカニズムについて定量PCR、Westernblot解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験計画書の予定通り、下顎頭軟骨に対する過度な機械的負荷時のオートファジー抑制メカニズムの解明、インテグリン、FAKシグナルを介した軟骨破壊とオートファジー関連因子との関係の解明、さらに過度な機械的負荷受容時のLC3活性化およびRubicon抑制による軟骨保護および修復作用について検討した。引き続き、オートファジーの役割を詳細に検討していくとともに動物および細胞実験を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
動物実験のTMJ-OAモデルにおいてオートファジーが抑制されることはほぼ確実であり、今後は動物細胞実験にてその詳細なメカニズムを探索していく必要がある。 動物実験は、すでに確立されたラットの下顎頭高負荷モデルに加え、新たに関節円板の転位を伴うTMJ-OAモデルを作成中である。こちらは実際の人体におけるTMJ-OAに近いモデルであり並行して検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
消耗品の消費量が前年と比較し減少したため次年度使用が生じた。次年度は機械的負荷がオートファジー因子発現に及ぼす影響およびそのメカニズムにいて検討する。
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