2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of a novel method to quantify and analyze cephalogram using AI
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20K18788
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
濱中 僚 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (70805986)
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Project Period (FY) |
2021-11-01 – 2024-03-31
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Keywords | ディープラーニング / 人工知能 / 敵対的生成ネットワーク / 生成AI / 生成モデル / セファロ分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では人工知能(AI)技術を応用することで、矯正診断に広く用いられている頭部X線規格写真(セファログラム)の革新的な分析方法を開発する。セファログラムは顎顔面の骨格形態の分析のため古くから用いられているが、セファログラム上の計測点をプロットして距離や角度を計測するという分析の手法は、80年以上大きく変わっていない。しかし、従来の分析では計測点の位置が同じ症例は、計測点に含まれない部分の形態が異なっていたとしても同じ分析結果となってしまう。本研究では人工知能技術を応用することで、セファロ画像から顎顔面形態を表現する値を直接抽出し、計測点を用いない新たな分析方法を提案する。
当該年度においては、敵対的生成ネットワークと呼ばれる手法を用いることで、正規分布しているランダムなノイズ(潜在変数)から人工的に様々な顔面パターンのセファロ画像が生成可能であることを確認した。また、このランダムなノイズを連続的に変化させると生成される画像も連続的に変化することを確認した。つまり、この潜在変数は画像に含まれる情報を効率よく圧縮した画像の「種」となるような表現である。この「種」の値を用いて患者の顔面パターンの分類や成長予測など他のタスクを精度よく行うことができる可能性がある。これらの成果について、九州矯正歯科学会にて学会発表を行った。
また、当初の計画ではVariational auto-encoderと呼ばれる手法を用いて画像の潜在変数への圧縮を行う予定であったが、近年の敵対的生成ネットワークの急速な発展を鑑みて、敵対的生成ネットワークを利用する手法を変更した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Variational auto-encoderから敵対的生成ネットワークを利用する手法へと変更したものの、潜在変数から高画質なセファロ画像を生成するという第一段階の目標は達成できたため、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度以降は、当該年度の研究で得られた潜在変数による表現を顔面パターンの分類タスク等に利用できるか検討するとともに、GAN Inversionと呼ばれれる手法を用いることで画像を潜在変数へ変換することが可能か検討を行う。
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Causes of Carryover |
クラウド上のGPUインスタンスを利用する予定であったが、以前まで他の研究で使用していたワークステーションの使用頻度が下がったことで、そちらを利用することが出来たため設備費にかかる費用を一時的に削減することが出来た。削減できた分については次年度のワークステーション保守費用に充てることとする。
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