2020 Fiscal Year Research-status Report
アデノシン三リン酸に着目した矯正歯科治療時の疼痛発症の新規メカニズムの解明
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20K18789
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
水原 正博 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (60845402)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アデノシン三リン酸 / 小胞型ヌクレオチドトランスポーター / クロドロン酸 / ビスホスホネート / 疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
矯正治療中の歯の移動に伴う歯の疼痛は、多くの患者にとって避けられるものではなく、苦痛を伴う。従って、その痛みのコントロールは非常に大切である。近年において、矯正力などのメカニカルストレスにより、歯根膜細胞から神経伝達物質であるアデノシン三リン酸(ATP)の放出を促進することが報告されているが、その疼痛発症メカニズムの全容については不明である。そこで、本研究では、ATPの小胞輸送体である小胞型ヌクレオチドトランスポーター(vesicular nucleotide transporter; VNUT)に着目し、歯根膜細胞に存在するVNUTが細胞外へのATP放出を促進し、周囲神経線維がATPを受け取ることによって痛みが伝達されるのでないかと仮説を立て、矯正歯科治療時のATPを介した痛みの発生機構の解明を目的とする。これによって疼痛に対する新規治療法の開発を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、ATPを介した疼痛発症メカニズムに関してVNUTをターゲットとした鎮痛効果を行動実験から評価し、その疼痛発症メカニズムを免疫組織学的に解析する。行動実験は概ね順調に行うことができたが、免疫組織学的解析では免疫染色の至適条件の検討に時間を要しており実験の進捗状況は当初の予定よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
VNUTを介した疼痛発症メカニズムの解明に向けて、免疫組織染色の至適条件の検討を引き続き行う。抗体の選択や染色条件について、研究協力者からアドバイスを受けながら研究を進める方針としている。
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Causes of Carryover |
行動実験は概ね順調に行うことができたが、免疫組織学的解析では免疫染色の至適条件の検討に時間を要しており、想定していた進捗状況ではないため。
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Research Products
(1 results)