2022 Fiscal Year Research-status Report
乳幼児期におけるミティスレンサ球菌の口腔内細菌叢形成における役割の解明
Project/Area Number |
20K18791
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
松島 瞳 昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (60804911)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | う蝕 / 口腔細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔内の細菌叢は非常に複雑であり、多様な細菌で構成されている。本研究では、その大多数を占める口腔レンサ球菌の中でも特にミティスレンサ球菌に着目している。これらの細菌は、乳歯が萌出する前から口腔粘膜に定着しており、う蝕原性や歯周病原性はないが、生体にとって有害とされている活性酸素種のひとつである過酸化水素を産生することで知られている。 申請者はこれまでこれらの細菌が産生する過酸化水素が、自然免疫細胞であるマクロファージの機能低下を生じさせることについて報告してきた。産生された過酸化水素が生体にとってどのような役割を果たしているかは明らかになっていないが、これらが初期付着に働きかけ、う蝕になりにくい口腔細菌叢の形成に関与しているのではないかという仮説を立てている。 本研究では、乳幼児期から幼児期にかけて多数歯う蝕に罹患した小児の唾液と、う蝕に罹患していない小児の唾液を次世代シークエンサーなどを用いて網羅的に解析し、口腔細菌叢の比較を行う。また、過酸化水素産生性細菌の定着における関与について明らかにすることを最終目標としている。 2022年度中にサンプル採取を終了する予定であったが、新型コロナウイルスの流行により外来の縮小が生じ、サンプルの採取が難しい状況にあった。特に低年齢児における多数歯う蝕の唾液採取が難航している。2023年度中にすべてのサンプル採取を終了し、解析に取り組みたいと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスの流行により外来の縮小が生じ、予定していたサンプル数の採取ができなかった。また9月から研究代表者の勤務形態の変更により、研究に行う時間の大幅な減少があり、遅れが生じてしまった。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和5年度中に目標とするサンプル数の採取を終了し、解析にとりかかる予定である。
|
Causes of Carryover |
令和4年度行う予定だった解析が、研究の遅れにより実施できなかったことから次年度使用額が生じた。令和5年度にサンプルの解析を行うために使用する予定である。
|
Research Products
(3 results)