2021 Fiscal Year Research-status Report
低酸素暴露したヒト歯根膜由来細胞でのC/EBPβ発現制御メカニズムの解明
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20K18792
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
石山 未紗 日本大学, 歯学部, 助教 (80732502)
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Project Period (FY) |
2021-02-01 – 2023-03-31
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Keywords | 歯根膜細胞 / 低酸素 / エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト乳歯から作製した株化歯根膜細胞(SH9)を使用し、10%FBSを含むα-MEMを培地として用い、CO2濃度5%, 37℃の条件で培養(通常培養)して実験に使用した。低酸素曝露にはアネロパックケンキ5%と専用ジャーを用いて,O2濃度を0.1%以下, CO2濃度を5%に設定して培養し実験群とした。また、通常培養したSH9細胞をコントロール群とした。 SH9細胞を低酸素環境あるいは通常環境下で培養後、各サンプルから全RNAを抽出したのちターゲット遺伝子のmRNA量をRT-qPCRにより測定を行った。RT-qPCRの結果、C/EBPβおよびRANKL mRNA発現の上昇を認めた。この結果から、株化ヒト歯根膜細胞に対する低酸素暴露により、HIF-1αが安定化するとともにC/EBPβのmRNA発現が上昇することが明らかになった。 この結果は、低酸素暴露が多くの遺伝子の発現を変化させることを示唆している。 現在,CREB siRNAによる遺伝子ノックダウンがC/EBPBの発現に及ぼす影響を検討するためにCREB siにおける有効濃度の検討を行っている。CREB siの有効濃度が決定後にCREBノックダウン後のC/EBPβ,HIF-1のmRNA測定を行う予定である。そののち,メチル化感受性制限酵素を用いたC/EBPβ遺伝子のプロモーターのメチル化レベルの検討を行う予定である。低酸素暴露によるmRNAやメチル化の変化について合わせて検討し,エピジェネティクスの観点から低酸素暴露が歯根膜細胞に及ぼす影響を明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度より、日本大学歯学部の研究棟の引っ越しの為、細胞を一時的に凍結するなどの処理を行うことになった。また実験室が共用ラボへの移行により実験を行うことができない状況が続いた。そのため研究の進行が停滞した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度では、当初の研究計画の遅れを取り戻すことができるよう、当初の計画に沿って研究を進める予定である。低酸素暴露により発現量が増加したC/EBPβおよびRANKLに関してCREB siRNAによる遺伝子ノックダウンを行い、CREBノックダウン後のC/EBPβ,HIF-1のmRNA測定を行う予定である。そののち,メチル化感受性制限酵素を用いたC/EBPβ遺伝子のプロモーターのメチル化レベルの検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
予定していた研究計画が遅延しており、それに伴い計画の後半に使用予定であった物品を購入しなかったため残金が生じた。 特段の計画変更はなく、繰越金と令和4年度助成金を合わせて、令和4年度の計画通りに実験に係る消耗品の購入と論文掲載料に使用する。実験に係る消耗品としては、リアルタイム用試薬やメチル化制限酵素などが主となる予定である。
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