2020 Fiscal Year Research-status Report
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20K18799
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
後藤 まき 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (20771108)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | メタゲノム / シーケンス / 口腔内細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
う蝕および歯周病は有病率が非常に高く、歯の喪失によるQOL低下の主たる原因であるため、口腔内ケアによるその改善が強く求められている。一方、家族内に集積するう蝕や歯周病が存在し、通常の口腔内ケアでは改善できない重篤な症状を呈することも分かっている。 近年、口腔内細菌叢がう蝕および歯周病発症に関与する可能性が注目を浴びていることから、 申請者は、家族内で集積しているう蝕や歯周病では、家族内で共有している口腔内細菌叢がその病態に影響している可能性を考えた。そこで本研究では、東北大学東北メディカル・メガバンク機構のコホート事業の一環として収集してある三世代家族(祖父母、父母、子)の 口腔内検体(唾液および歯垢)にメタゲノム解析を行い、口腔内所見との関連を検討する。 この解析により家族内で水平または垂直に伝播する口腔内疾患に関連する細菌を同定する。 さらには、同定した細菌の分子生物学的解析を行い、口腔内疾患に関わる分子機構を解析する。本研究により、口腔内疾患の早期予測が可能となり、また、口腔内細菌を標的とした口 腔内疾患予防法の開発につながることが期待できる。そこで今年度は、口腔検体を用いた全ゲノムショットガンシークエンス解析を行うためのプロトコールを確立した。それぞれ口腔内検体の選択、DNA抽出方法、ライブラリ作成方法、シーケンスの条件を検討した。また、データ解析においてもスーパーコンピュータ上での細菌叢解析および細菌遺伝子の機能解析を行うための基盤作りを行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題に関して顕著な計画の遅れは認められず、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
東北大学東北メディカル・メガバンク機構のコホート参加者の中から、7人組の家族(父方祖父母、母方祖父母、父母、子)を抽出し、口腔内検体を用いた全ゲノムショットガン解析を行う。これまでの条件検討を元にDNA抽出、ライブラリ作成、シーケンスを行う。
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Causes of Carryover |
高額でかつ使用期限が短い物品があったため、次年度に繰り越して購入することとした。次年度はシーケンスの試薬を中心に購入を予定している。
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