2020 Fiscal Year Research-status Report
要介護者歯科診療の術者腰痛予防に有用な姿勢保持装具の新開発
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20K18806
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平岡 綾 広島大学, 病院(歯), 歯科診療医 (60781812)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 要介護者 / 歯科診療 / 腰痛予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は「研究1 訪問歯科診療あるいは口腔ケア実施時の姿勢を動作解析し,姿勢保持に特化した装具を開発する」という研究目標を立て,装具全体のデザイン,試作を行うことを目指した.まずは,既存の腰痛防止ベルト3種類(介護用・工場などの作業用)および広島県内で代表的な事業者の腰痛防止ベルト1種類(介護用・工場などの作業用)を入手した.さらに,数名の歯科診療従事者(歯科医師3名・歯科衛生士2名)に訪問診療時やベッドサイドでの要介護者に対する歯科診療の際,および歯科診療室における通常歯科診療やカルテ作成の際に既存の腰痛防止ベルトを試用してもらい,アンケートを実施し,改善点等を挙げてもらった.その結果,既存の腰痛防止ベルトでは,車いす座位やベッド仰臥位およびベッド端座位になっている要介護者に対して口腔内を観察,治療するために立位から大きく前傾姿勢をとったり,チェアに座って上記の患者に対して治療を行ったり,治療後のカルテを作成する等,様々な姿勢を繰り返す歯科診療従事者に対しては,ずれが大きく,何度も付け直しが必要になるなど,使用困難であることが分かった.そのため,試作装具は,その結果を生かして上部にずれることを防止するために両下肢にベルトを追加したり,胸部に固定するベルトを追加するなどの改良が必要であることがわかった. また,既存の腰痛防止ベルトを使用した診療姿勢を,筋電図計を用いて評価を行うべく準備中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
広島大学病院リハビリテーション科が所有する筋電図計を用いて評価を実施した際,故障箇所が明らかとなったため,現在修理中である.
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Strategy for Future Research Activity |
既存の腰痛防止ベルトを用いて筋電図評価を行い,アンケートによって得られた知見も含めて新たな腰痛防止ベルトの試作を研究協力者とともに実施する予定である.また,試作された腰痛防止ベルトの動作解析および筋電図での評価を実施し,さらに改良を加えて装具を完成させる予定である.
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Causes of Carryover |
当該年度はコロナ感染拡大の影響で研究計画が思い通りに進まず、当該年度で作製予定であった腰痛防止ベルトの試作に至らなかったため。次年度では開発および試作料として使用予定である。
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