2021 Fiscal Year Research-status Report
在宅療養する医療的ケア児の口腔に存在するリスク評価と新たな口腔管理システムの開発
Project/Area Number |
20K18818
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高井 理人 北海道大学, 大学病院, 医員 (80825513)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 小児在宅歯科医療 / 小児在宅医療 / 医療的ケア児 / 歯科訪問診療 / 口腔管理 / 口腔ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
人工呼吸器や経管栄養など、日常的に高度な医療を必要とする「医療的ケア児」を対象とした小児在宅歯科医療は、ニーズが増加しているものの、まだ広く普及していない。小児在宅歯科医療のエビデンス構築と在宅での口腔管理システムの開発を目的とした調査研究を継続している。 今年度は、前年度に実施した小児在宅歯科医療に関する全国実態調査結果をもとに、現在の小児在宅歯科医療の実態と課題の共有、今後の推進方法の検討を目的に、小児在宅歯科医療に先進的に取り組む歯科医師らとオンラインにて意見交換を行った。小児在宅歯科医療では、後方支援病院との連携や、他職種との連携に課題があることが明らかになった一方で、小児在宅歯科医療を普及させるためには、「医療的ケア児等コーディネーター」等の連携のキーパーソンとなる職種への働きかけが重要であることが示された。そのほか、歯科訪問診療に従事する歯科医師同士の連携も重要であり、先行的に取り組む歯科医師らが同行する形で地域での小児在宅歯科医療支援を行えるようなシステムの可能性についても議論された。 新型コロナウイルスの影響で一時的に中断されていた歯科訪問診療は再開され、調査研究を始めることができた。今年度は口腔内状況、口腔機能、全身状態についての解析項目および解析方法の検討を行った。引き続き、口腔内状況と口腔機能については歯科訪問診療にて調査を行い、全身状態については小児科医師と連携してデータ収集を行う予定としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
一時中断していた歯科訪問診療は再開したが、新型コロナウイルス流行下のため、患家での滞在時間に制限が生じた。本研究の対象となる医療的ケア児はなるべく短時間で患家の訪問を終了させる必要があり、診療時に研究の協力を得ることが難しかった。また、感染流行時期には歯科訪問診療のキャンセルが相次いだ。そのため、症例のリクルートに難渋し、分析に必要なデータが確保できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
調査データの採取と分析を引き続き実施する。当初の計画よりも遅れているため、予定よりも症例数を少なくして分析することも検討している。
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Causes of Carryover |
研究計画の遅れに伴い、口腔内評価に用いる機器(pH測定器、口腔内細菌数測定器等)の購入が遅れている。 新型コロナウイルス流行下のため予定していた旅費の支出がなかった。
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Research Products
(2 results)