2020 Fiscal Year Research-status Report
咀嚼能力とフレイルの関連にサルコペニア肥満は媒介するのか~中間媒介分析を用いて~
Project/Area Number |
20K18819
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
沼崎 貴子 東北大学, 大学病院, 助教 (90848293)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 咀嚼能力 / サルコペニア肥満 / コホート研究 / フレイル |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会の日本では健康寿命の延伸を果たすべく、フレイル対策が進められている。しかしながら、極端な肥満が少ない我が国のフレイル対策は、BMI低値のやせ型に焦点が当てられており、サルコペニア肥満が重要なフレイル因子と目される欧米とは対照をなし、肥満者を対象とするフレイル対策の重要性は明らかにされていない。 本研究は岩手県花巻市大迫地区に居住する地域高齢者を対象に、咀嚼機能の低下はサルコペニア肥満を介してフレイルと関連するのかを検討することを目的として行った。本コホート研究(通称:大迫研究)における歯科検診は、2005年より継続して行ってきた。 今年度は新型コロナウイルスの影響で検診が全て中止となってしまったため、データベースの拡充することはできなかった。フレイルに関する項目は昨年度(2019年度)からデータを採取している。昨年度に行った検診では、岩手県花巻市大迫地区の50歳以上の地域一般住民に対して、歯科検診を2019年11月から2020年2月(4回)にわたって検診を実施し、91名が受診し、ベースラインデータを採取し、集計を行った。咀嚼能力の低下に関する項目は、口腔内検査、咀嚼能率検査、咬合力検査、質問紙調査であった。その他医科の検診項目として身長、体重、腹囲、握力の測定などフレイルやサルコペニアに関わる項目についても調査を行った。 歯科の検診結果に対しては可能な限り直ちに集計を行い検診参加者に提示をし、各項目についての検査結果の説明を行った。加えて、歯科受診の必要性が極めて高い検診受診者に対しては、受診勧奨を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度の検診が新型コロナウイルスの影響を受けて、全て中止となってしまったため、データベースの拡充ができなかった。解析を行うにはN数がまだ十分ではない。来年度は、昨年度と同じくらいの人数を見込んでおり、6回に分けて検診を行う予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
来年度の検診からは、問診時でのアクリル板の使用、使用機器の消毒など感染対策を万全にしたうえで、検診に臨む予定である。検診の実施により、サンプルサイズの確保に努め、さらに蓄積されたデータベースにより統計解析を進める。検診項目については昨年度の検診項目と同様の予定である。
|
Causes of Carryover |
今年度の検診は新型コロナウイルスの影響で全て中止となったため、検診に必要な物品などを購入しなかった。次年度は、従来予定していた検診に必要な物品に加えて、アクリル板など感染対策用品の購入をする予定である。
|
Research Products
(3 results)