2021 Fiscal Year Research-status Report
歯科衛生士と専門職間連携実践の質に関する新たな評価スケールの開発
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20K18821
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
戸田 花奈子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (50848687)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 歯科衛生士 / 専門職間連携実践 / 質評価 / IPW / 連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は歯科衛生士の職種間連携実践の質を評価するスケールの開発を目的としている。 初年度は国内歯科衛生士の専門職間連携実践の意識および実態調査を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大のため調査を中止していた。本年は質問票調査が終了し、現在分析中である。初年度の調査対象は専門職間連携実践を行う歯科衛生士が少数であった。分析結果は国内・外にて発表予定である。 初年度調査対象者の属性から、実際に専門職間連携実践を担う歯科衛生士を対象に連携の質にかかわる要素を調査する必要があった。そのため居宅療養管理指導を対象に質的調査を実施し、その一部を国内学会にて発表した。本研究結果は国際学会でも発表予定(共同発表)である。 さらにスケール開発にあたり「個人の選好」が連携実践の質にも影響している可能性が示唆された。すなわち連携実践等の意思決定において、個人が選択対象に対して持つ好みのことである。しかしながら歯科医療分野において選好に関する研究はほとんど行われていない。そこでpilot studyとして某大学学生の協力を得て個人の選好と口腔保健状況との関連を調査した。本研究では選好の中から「時間割引率」に着目し、口腔保健状況との因果関係を分析し、国内学会で発表予定である。 行動経済学の分野では、この選好を利用した「ナッジ」が保健分野に応用されている。本研究で得られたメソッドを利用して、今後は専門職間の選好についても調査を実施するほか、将来的には「ナッジ」を用いた専門職間連携実践の質向上の実践研究も予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、当初予定していたフィールド調査が困難となっている。そこで当初の計画とは異なる視点(個人の選好)から専門職間連携実践の質向上の要素の検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
個人の選好に着目した調査では口腔保健状況との関連に興味深い結果が解析されている。今後は本研究で得た知見を活かして、専門職間での選好の評価検討を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大の影響で対面での学会活動が中止となり出張費が発生しなかった、また当初予定していた研究内容からの変更により必要備品の内訳が変わったことで使用額が生じている。
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