2021 Fiscal Year Research-status Report
大腸の短鎖脂肪酸が唾液腺に与える効果の解明ー高齢者の肺炎予防を目指してー
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20K18838
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Research Institution | Kanagawa Dental University Junior College |
Principal Investigator |
山本 裕子 神奈川歯科大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (60756568)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 唾液 / IgA / 短鎖脂肪酸 / フラクトオリゴ糖 / pIgR / GPR41 / GPR43 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度からの引き続きで、GPR43KOマウスとC57/BL6に無繊維飼料を与えた場合の唾液中IgA分泌速度と顎下腺pIgR発現量の測定を行ったところ、両群に差は認められなかった。唾液中IgA分泌速度と唾液腺pIgR発現量増加には、盲腸で産生されたSCFAが関与していることが明らかになった。 今年度、研究計画1:短鎖脂肪酸(SCFA)が交感神経を活性化し唾液中IgAレベルが増加するかを解明、を行った。ラットにSCFAの酢酸・プロピオン酸・酪酸を添加した水を飲ませ、唾液中IgA分泌速度と、ドーパミンの前駆体で交感神経活性化の指標となる物質である「チロシンヒドロキシラーゼ(TH)」の濃度が顎下腺内で増加するかどうかを検討した。その結果、SCFAを添加した水を飲んだラットでは血中のSCFA濃度が増加し、唾液中IgA分泌速度と顎下腺TH濃度も増加していた。さらに、唾液中IgA分泌速度と顎下腺TH濃度には正の相関が認められた。唾液中IgA分泌速度の増加には、血中で増加したSCFAにより交感神経活性化が関与している可能性が明らかになった。SCFAを添加した水を飲むことによる顎下腺のTH濃度の増加は、「継続的な交感神経刺激」に当たるため、継続的な交感神経刺激が唾液中IgA分泌速度を増加させる可能性も明らかとなった。 GPR41とGPR43の発現を見るため、マウス顎下腺の免疫染色を行ったが、現在のところうまく染色できておらず、抗体を変えて解析を継続している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申告書に記載した研究計画のうち、実験計画3:唾液腺にGPR41とGPR43が発現しているかを解明、の顎下腺免疫染色が成功していないため。現在、新しい抗体を使用して免疫染色を継続している。また今年度までの実験成果の論文作成がまだ途中であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
顎下腺におけるGPR41とGPR43の発現を見るための免疫染色は、現在新しい抗体を使用して解析を継続している。またGPR41とGPR43KOマウスを使用して唾液中IgAレベルを測定した実験の結果は、現在論文作成中である。
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Causes of Carryover |
顎下腺におけるGPR41とGPR43の発現を見る免疫染色がうまくいっておらず、現在も継続中のため。新しい抗体を購入して解析を継続する予定である。また、GPR41とGPR43KOマウスを使用し唾液中IgA分泌速度を測定した実験結果の論文が作成中であるため。 次年度使用額は、GPR41とGPR43の免疫染色用の抗体の購入と、論文の英文校正費用および投稿した雑誌への掲載費用として使用する予定である。
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[Journal Article] Effect of High Fat and Fructo-Oligosaccharide Consumption on Immunoglobulin A in Saliva and Salivary Glands in Rats.2021
Author(s)
Yamamoto Y, Morozum T, Takahashi T, Saruta J, Sakaguchi W, To M, Kubota N, Shimizu T, Kamata Y, Kawata A, Tsukinoki K.
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Journal Title
Nutrients
Volume: 13(4)
Pages: 1252
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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