2021 Fiscal Year Research-status Report
Construction of effect indicator for medical home visit among children with severe medical care dependency
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20K18841
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
城戸 崇裕 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (90868621)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 医療的ケア児 / 在宅医療 / 訪問診療 / 訪問看護 / ビッグデータ / レセプトデータ / 小児 |
Outline of Annual Research Achievements |
株式会社会社JMDCより、同社が保有する医療レセプトデータの中から、「2017-2020年」に、何等かの医療デバイスにかかわる在宅医療系の加算を算定されたことがある、加算当時18歳未満の児のものを抽出した。 本研究の目的は、医療的ケア児全般について在宅ケア(訪問診療または訪問看護)の利用状況を明らかにすることだが、中でも、在宅で生活する医療デバイス依存児(TDC: Technology Dependent Children)は医療や看護の必要性が高い一群である。 2680名のTDCについてのレセプトが抽出され、全体での在宅ケア利用は59.5%に上った。多変量解析の結果、低年齢、人工呼吸器使用、酸素投与、経管栄養、気管切開が在宅ケアの導入と優位な相関がみられた。またTDCの中には、年に複数回の入院を必要としている児がいることも明らかとなった。在宅ケア導入児と非導入児を比較すると、明らかに導入児の方が入院回数が多かった。これは、在宅ケア導入の結果として入院が増えるわけではなく、在宅ケアの適応と、入院を必要とする重症度の間にある交絡が強いため、今回の解析では調整しきれていないものと思われた。 国内のTDCなど医療的ケア児に対する在宅ケアの導入状況、さらに使用しているデバイスや年齢などの背景疾患との関連について、大規模レセプトデータを用いて初めて具体的な数値を示したものと思われる。 また、在宅ケアの利用割合は、諸外国の先行研究と比較すると非常に高いこともわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
筆者はDPCデータを用いた研究の経験を有していたが、JMDCが保有している形態での医療レセプトのハンドリングは初めてだった。このため、データ定義や解析方法の確定に時間を要した。また、当初予想していたよりも、全体に在宅ケアの利用割合が高かったこともあり、データやプログラムの再確認にも時間を要してしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在この内容は英語論文化しており、近日中に国際誌に投稿予定である。 また同様の検討を、今年度中に、日本国内の全国データベースであるNDBでも実施予定である。
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