2020 Fiscal Year Research-status Report
Relationship between Self-Directed Learning Skills and Learning Acts and Evaluation of Medical Students during Clinical Clerkship
Project/Area Number |
20K18852
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
福森 則男 佐賀大学, 医学部, 准教授 (10530082)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 自己主導型学習能力 / 医学教育 / 診療参加型臨床実習 / 医行為 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、医学科学生の自己主導型学習能力をSelf-Directed Learning Readiness Scale (SDLRS) 日本語版を用いて測定し、臨床実習中における学習行動および学修評価にどのよ うな影響を与えているかを検討することを目的としている。 初年度となる2020年度は、1. 医学教育における自己主導型学習能力や診療参加型実習に関するこれまでの先行研究について文献検索と精読すること、2. 医学生の自己主導型学習能力を測定する自記式質問票であるSelf-directed learning scale(SDLRS)の調査開始、3. 参加型臨床実習中の医学生の医行為記録表の作成と取得開始を計画していた。 1. 文献検索では、これまでに学習者の自己主導型学習能力を測定する調査票がいくつか開発され、因子分析によりいくつかの下位概念で構成されることがわかった。反面、対象者の主観による調査票であるため、調査対象者の性格や背景により、回答の精度を十分に考察する必要があることが把握できた。 2. SDLRS日本語版は、著作者に使用の許諾をえており質問紙も準備済みである。2020年度も、入学時、基礎医学系講義終了時、臨床医学系講義終了時、臨床実習終了後に相当する医学生に調査票を配布して測定を行った。 3. 医行為記録の取得は、佐賀大学医学部附属病院で臨床実習を行う医学科5年生を対象とする。研究参加の説明と同意を取得し、医行為記録票の記録方法について説明した。医行為記録票は医学部e-LearningでWeb入力するように作成されたが、新型コロナウイルスの感染流行により診療参加型臨床実習が一時中断したり、実施できる医行為のほとんどが制限され見学が主の実習になったため、十分なデータが得られなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度に計画していた、1. 医学教育における自己主導型学習能力や診療参加型実習に関するこれまでの先行研究についての文献検索、2. 自己主導型学習能力を測定するSDLRS日本語版の配布・回答、3. 2020年度以降に佐賀大学附属病院で臨床実習を開始する医学科5年生に研究参加の説明と同意を取得し、医行為記録票を入力するwebサイトの説明と入力準備は計画通りに進捗した。 しかし、予想していなかった新型コロナウイルスの感染流行により診療参加型臨床実習が一時中断したり、実施できる医行為のほとんどが制限され見学が主の実習になったため、十分なデータが得られなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、主にデータの収集と精度における改善点について評価し、データ取得を継続することを計画している。 計画通りにデータを取得している、SDLRSについては、 1. 入力データの中から数例をランダム抽出して、データ入力の精度について検討する。もし誤記入が頻繁にみられるようであれば、学生への説明と入力ウェブサイトの更新を随時行い、データの精度が高くなるように努める。またデータ収集方法の改善点を検討して、精度の高いデータ取得を継続する。 診療参加型臨床実習中の医行為記録については、2021年4月より医行為記録の入力が再開されており、引き続きデータ取得に努める。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い実習が中断するようなことが再び見られる時は、データ取得期間の延長も検討する。
|
Causes of Carryover |
2020年度は、物品費はおおむね計画通りに支出できた。旅費は、研究分野の最新の知見を得るために参加を予定していた全部の国際学会および国内学会の開催が新型コロナウイルスの影響により中止またはWeb開催に変更されたため、計画通りに執行できなかった。人件費についても、新型コロナウイルスによる勤務制限や外部講師の招致が制限されたため計画通りに執行できなかった。
|