2021 Fiscal Year Research-status Report
大規模レセプトデータを用いた関節リウマチ治療に伴う悪性腫瘍リスクの明確化
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20K18865
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
豕瀬 諒 京都薬科大学, 薬学部, 助教 (10868152)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | メトトレキサート / 生物学的製剤 / 悪性腫瘍 / 悪性リンパ腫 / 関節リウマチ / レセプトデータ / リアルワールドデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
関節リウマチ治療において、メトトレキサートと生物学的製剤の併用療法が推奨されている。しかしながら、メトトレキサート、生物学的製剤ともに悪性腫瘍のリスクが報告されており、これらの併用療法における悪性腫瘍のリスクについては明らかにされていない。これまで、申請者は、有害事象自発報告データベースを用いた研究により、メトトレキサートと生物学的製剤の併用療法では、メトトレキサート療法に比べて、悪性リンパ腫、乳がん、卵巣がん、肺がんのリスクが増加する可能性を明らかにした。本研究では、大規模レセプトデータベースを用いて、これまで申請者が明らかにしたメトトレキサートと生物学的製剤の併用療法と悪性腫瘍との関連を検証し、悪性腫瘍のリスクをより明確化することを目的とした。 まず、関節リウマチ患者のレセプトデータを入手し、対象患者を適切に選定するためのアルゴリズムを作成した。作成したアルゴリズムに従い、メトトレキサート群とメトトレキサートと生物学的製剤の併用療法群に患者を分類した。各群における悪性腫瘍の発現率と日本における悪性腫瘍の発現率を比較し、発現リスクの高い悪性腫瘍を同定した。次に、発現リスクが高かった悪性腫瘍について、性別、年齢、チャールソン併存疾患指数を調整した上で、メトトレキサート群とメトトレキサートと生物学的製剤の併用療法群のどちらがリスクとなるかを評価した。現在、得られた結果について論文を執筆中である。本研究で得られた結果は、関節リウマチ患者における悪性腫瘍の早期発見に寄与し、悪性腫瘍の発現に伴うquality of lifeの低下を防ぐことができると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響で研究活動を中断した期間があり、予定よりもやや遅れている。 また、研究の根幹となる対象患者を選定するためのアルゴリズムについて、時間をかけて慎重に作成したため、研究に遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍で予定よりも進捗が遅れていたものの、コロナ禍が落ち着き研究活動を再開できたため、学会発表を2回行うことができた。2022年度においては、さらに優先度を上げて本課題に取り組み、学術誌への論文投稿を最優先で進めることで成果を示す予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により学会に参加できず、旅費を使用しなかった。 今後は論文投稿費や学会参加費などに充てる予定である。
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Research Products
(2 results)