2021 Fiscal Year Research-status Report
全国の医療系大学のIRを支援する汎用的で操作簡便な効率的データ分析システムの開発
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20K18876
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
沼沢 益行 東京医科歯科大学, 統合教育機構, 特任助教 (40844220)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 教学IR / Institutional Research / システム開発 / 医学教育 / 教育支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
教学IR(Institutional Research)では、膨大な教学データを個人のID(identification data)で紐づけた上で分析する作業が必須である。一方で、データの紐づけや統計分析を効率良く行うために有用な既存のツールを実用しているIR組織は、日本の全大学の3~4割程度に留まったという報告がある(文部科学省, 2014)。 本研究の目的は、全国の医療系大学のIRにおける膨大な教学データの分析を支援するため、あらゆる使用者にとってごく簡便に利用可能な、データを紐づけた上での統計分析を迅速に効率良く行うシステムを開発することである。 2021年度は、2020年度時点で大学のWebサイトでIR組織の公示を確認できた62の医療系大学または医療系学部を有する総合大学に対して、教学データの管理や分析の現状、およびニーズや抱えている課題等に関するWebアンケートへの回答を依頼した。 29の大学から回答を得られ、データの管理や分析には多様なツールが使用されていることが確認された。その中で「使用難易度の比較的高いツールを特定の教職員が使用している部分があり、業務の分担や引継ぎが容易でない面もあると思われる」と回答した大学は全回答の55%を占め、全回答の31%を占めた「いずれのツールも使用難易度は低いので、業務の分担や引継ぎは困難でないと思われる」という回答数を上回っていた。また、本システム開発において機能実装を検討している簡便化や自動化が可能な各種処理に関する質問では、いずれの処理についても回答した大学の4~8割程度が業務効率化や業務分担等の観点から簡便化や自動化ができると望ましいと考えていた。 さらに、自由記述式設問で、具体的に本システム開発に期待されることや要望を確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アンケート調査の結果から、あらゆる使用者にとってごく簡便に利用可能な、教学データの分析を迅速に効率良く行うシステムを開発することの意義が示唆されたたともに、ニーズに即したシステム開発を行うための情報をアンケート回答から得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、アンケート調査の結果を踏まえて、全国の大学で使用できる汎用的なプラットフォームにすることや、あらゆる使用者にとってごく簡便な操作となることを念頭に置きながらマクロのアルゴリズムを考案し、膨大な教学データを紐づけた上で統計分析まで迅速に行えるようなシステムを開発する。
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Causes of Carryover |
研究計画時には想定していなかった新型コロナウイルス感染症が流行したことにより、計画の一部を先送りにしたため。
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