2022 Fiscal Year Research-status Report
全国の医療系大学のIRを支援する汎用的で操作簡便な効率的データ分析システムの開発
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20K18876
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
沼沢 益行 東京医科歯科大学, 統合教育機構, 特任助教 (40844220)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 教学IR / Institutional Research / システム開発 / 医学教育 / 教育支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
教学IR(Institutional Research)では、膨大な教学データを個人のID(identification data)を介して紐づけた上で分析する作業が必須である。本研究の目的は、全国の医療系大学のIRにおける膨大な教学データの分析を支援するため、あらゆる使用者にとってごく簡便に利用可能な、データを紐づけた上での統計分析を迅速に効率良く行うシステムを開発することである。 2022年度は、2021年度に実施したアンケート結果を踏まえて、業務効率化や業務分担等の観点からの簡便化や自動化と、使用難易度の低さを念頭に置きながら、VBA(Visual Basic for Applications)により以下のようなマクロを開発した。 (1)多数のWordファイルやPowerPointファイルを一括で、ファイル名を維持しながらPDF化する。(2)ファイル名の先頭、中間、または末尾において、一括で同じ文字列や数値等を挿入する、あるいは一定字数を削除する。特定の文字列を一括で削除、あるいは他の表記に置換する。(3)共用試験であるCBTの結果(成績)を、データ整理に適した横並び形式に体裁調整し、さらにデータ集積に適した縦持ち形式に変換する。(4)無料統計解析ソフトのRと連動させ、Excel画面上でデータセットの目的変数の列、説明変数(複数選択:重回帰も可)の列のセルを直接マウスでクリックするだけで、選択した変数での線形回帰分析がR上で実行され、各回帰係数、その95%信頼区間、p値等がExcel画面上に出力され、また実行されたRスクリプトがWord文書として出力される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一括でのファイル名変換やPDF化を簡便に自動で行えることは、多数のファイルを同様の編集工程で取り扱うことも多いIRの業務を支援することができる。 共用試験CBTの結果は、直接的にはデータ整理やデータ集積に最適とは言えない体裁で提供されるが、そこからデータ整理やデータ集積に適した形式に自動変換できることは、経年的にCBTのデータを管理することに役立つ。 汎用されている統計解析ツールは、操作難易度の面から利用着手や選定を忌避してしまうIRのスタッフも想定される中で、本システムではExcel画面上で直接変数選択の操作を行い、分析結果もExcel画面上に出力されるため、Excelでのマウス操作に慣れていれば誰でも簡便に使用できる点で、教学IRにおける統計解析を支援することが期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、これまで開発してきたマクロの最適化・改修も念頭に置きつつ、部分的にでも公開可能な状態までシステム開発を進める。
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Causes of Carryover |
研究計画時には想定していなかった新型コロナウイルス感染症の流行、およびWeb会議システムやWebアンケートフォームの発展等により、出張が不可、また不要となったため、および計画の一部を先送りにしたたため。
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