2021 Fiscal Year Research-status Report
地域の大規模疫学データが抗菌薬適正使用に与える影響の評価
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20K18880
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森岡 悠 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (90816133)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Point prevalence survey / 抗菌薬適正使用 / 周術期抗菌薬 / 医療関連感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年2月から2020年7月の間に行われたPoint Prevalence Survey (以下、PPS)で、27施設から合計10,199人のデータを収集した。結果の概要として、医療関連感染症(以下、HAI)の有病率は諸外国と大差はないものの、その内訳は施設規模で大きく異なっていることが明らかとなった。また、HAIに対する抗菌薬投与では、カルバペネム系抗菌薬が最も処方されている点等、独自の状況が明らかとなった。 この結果をまとめ、4-5月にかけて各参加施設に施設の疫学データ、HAIの発症状況、抗菌薬処方状況(治療、予防、周術期)、などの個別のフィードバックを行った。また、2021年感染症学会総会にて、「愛知県感染防止対策加算1取得病院における多施設Point Prevalence Survey-抗微生物薬使用の検討-」と題して、抗微生物薬使用に関する発表を行った。 愛知県での抗菌薬使用状況の実態調査の一貫として、参加施設の1つである小牧市民病院にて、外来抗菌薬使用状況のパイロットスタディを行い、外来での内服抗菌薬の現状把握を行った。適正な投与が行われている患者群の特定と、適正な抗菌薬投与を行っている医師群を把握した。現在英文誌に投稿中である。 PPSに関する論文化を進めている一方で、愛知県感染管理加算1取得病院で、今回のPPSに非参加の施設へのフィードバック資料の作成を並行して行っている。 2022-2023年にかけて、今回のフィードバックデータで抗菌薬使用状況に変化が見られるか、多施設での疫学調査を行うべく、研究計画書の作成を含めた準備を行っている最中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の対応のため、研究に割けるeffort率が低下しているのが最大の要因である。また、他施設への訪問・意見聴取も、当方の事情以外にも、他施設の感染対策担当者が多忙なため、実現できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の9月中までには、非参加施設へのフィードバック、論文投稿、新規の研究計画の作成を行い、参加施設を募る予定である。
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Causes of Carryover |
論文作成が2021年度内に間に合わず、校正費用・投稿費用等を要する。 また、COVID-19によって出張がオンラインに変わり、その余剰分が繰越された。 今後、愛知県の非参加施設へのフィードバックや、論文校正費用・投稿費用・掲載費用や、新規調査に伴う諸経費等で使用する予定である。
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