2023 Fiscal Year Research-status Report
地域の大規模疫学データが抗菌薬適正使用に与える影響の評価
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20K18880
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森岡 悠 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (90816133)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 医療関連感染症 / 抗微生物薬適正使用 / Point Prevalence Survey / 横断的疫学研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年4月にECCMID 2023で、横断的疫学調査で明らかとなった周術期抗菌薬の使用状況についての報告を行い、同論文がJournal of Infection and Chemotherapyに受理された(PMID: 38272262)。 論文の概要: 外科手術における抗菌薬予防(SAP)の現状に関する情報は日本の病院では不足しているため、SAPの処方状況と日本のSAPガイドラインの遵守状況を調査した。 SAPを処方された患者を本研究の対象とした。SAPの適切性は、抗菌薬の選択と投与期間についてガイドラインに基づき評価した。すべての項目が適切であった場合を「適切な手術」と定義した。 SAPに対して何らかの抗菌薬が投与された患者は728例(7.1%、728/10,199)であった。そのうち557例(76.5%、557/728例)がガイドラインに記載されている手術を受けた。全手術の適切性は33.9%(189/557例)であった。術前・術中の抗菌薬選択、術後の抗菌薬選択、抗菌薬投与期間の適正性はそれぞれ67.5%(376/557例)、67.5%(376/557例)、43.3%(241/557例)であった。全体的な適切性は、0%から58.7% (診療科別)、27.7%から47.2%(病院のカテゴリ別)であった。手術前/手術中(55.5%、299/539例)および手術後(45.1%、249/552例)に処方された抗菌薬としては、セファゾリンが最も多かった。合計101の経口抗菌薬が術後に処方された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の流行での対応で、データの集積・解析が遅れた影響で、全体的に遅れている。 現在データは固定しているが、論文化が全て終わっていない。
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Strategy for Future Research Activity |
医療関連感染症に関する論文を現在投稿中しており、抗微生物薬投与の論文は作成中である。愛知県の医療機関とはJ-SIPHEで任意グループを作成し、地域の疫学データはJ-SIPHEから抽出する準備が整っている。 本年度中に論文の受理並びに再度地域へのフィードバックを行う予定である。
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Causes of Carryover |
論文で未作成のものが複数あり、現在執筆中である。また、国際学会で抗微生物薬使用について発表を行う計画がある。
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