2020 Fiscal Year Research-status Report
A study of factors inhibiting employment after gastrointestinal cancer incidence
Project/Area Number |
20K18885
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
中山 祐次郎 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (30837589)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 消化器癌 / 就労支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本邦において胃癌・大腸癌の罹患数は増え続けているが、治療成績が向上したことにより、癌治療後に長期生存するいわゆる「がんサバイバー」が増えている。さらに就労可能な65歳以下のがんサバイバーが多く、就労が大きな問題となっているが、就労を阻害する因子はいまだ不明な点が多く、対策が十分でない。 そこで本研究では、胃癌・大腸癌の患者の就労阻害因子を明らかにすることを目的とする。研究は福島県のがん診療連携拠点病院の院内がん登録データと患者へのアンケート調査で行い、臨床医学的因子と社会的因子の双方について検討する。具体的には、対象を消化器癌患者に絞り、詳細な治療方法と治療後QOLを測定し、就労阻害因子を検討する。消化器癌はその臓器の特性上、食事と排泄などの点で健常人のような日常生活を送ることが時に困難であり、他癌とは別個の就労阻害因子がある可能性がある。 具体的には、初年度は研究協力者とのミーティングを重ねて研究内容を練り込み、まずは1病院において研究を実施することとした。病院の倫理委員会へ審査を申請し、許可を得た。そして研究対象となる患者の定義を詳細に決定し、対象患者を病院データからリストアップした。 患者への質問紙について、専門家の意見をヒヤリングした上で項目を決定し、実際に配布する質問紙を作成した。そして郵送による配布を行い、現在回収している。さらには、対象患者についての臨床的なデータを院内がん登録データから抽出し、データを統合してデータクリーニングを行った。 今後は回収した質問紙よりデータを収集・抽出し、臨床的なデータと突合させて解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおり、倫理委員会の審査許可が順調に進んだため、質問紙の作成、対象患者のリストアップ、質問紙の郵送、そして対象患者の院内がん登録データ収集が順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度である2020年度に、質問紙の項目決定から作成までを終え、質問紙を郵送にて配布した。現在回収中である。さらに対象患者を絞り込みリストを作成し、院内がん登録によるデータ収集を行った。 今後は回収した質問紙よりデータの収集・抽出・データクリーニングをし、臨床的なデータと突合させて解析・結果の考察と発表計画を立てていく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症のパンデミックによる移動制限により、旅費と人件費・謝金の使用が少なかったため、当該助成金が生じた。 来年度は移動制限が解除され、学会などによる旅費、人件費・謝金の発生する予定である。また、データ収集や解析、論文作成などによりパーソナルコンピュータ、各種ソフトウェア、英文校正費、論文投稿費、学会発表にかかる参加費用などが生じる可能性がある。
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