2022 Fiscal Year Research-status Report
PHR事業実施主体の公的アカウンタビリティからみた普及阻害要因の調査
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20K18888
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
島川 龍載 県立広島大学, 公私立大学の部局等(広島キャンパス), 講師 (30845186)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Personal Health Record / アカウンタビリティ / 情報の非対称性 / 行動変容 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、既に各地で構築されている県全域での地域医療介護連携ネットワーク(EHR:Electronic Health Record)と合わせて、ヘルスケア情報の連携を行っているPHR(Personal Health Record)事業において、行政が関連した複数の特徴的なシステムに焦点を当てて、事業実施主体が果たすべきアカウンタビリティを明らかにし、普及の阻害要因に言及することを目的とした調査研究である。 2022年度は、2020年度、2021年度の文献調査と国内のPHRサービスをケーススタディとした質問票を用いた調査をもとに、予定していた都道府県の行政が関連するPHRサービスに関する調査を全国の47都道府県の健康医療関連部署に対して実施した。 このアンケートでは、調査対象の47都道府県に対して、有効回収数45件(有効回収率:95.7%)であった。そのうち、都道府県の行政機関として、運営もしくは委託しているPHRサービスは5つの県であった。5つの県が取り組むサービスでは、行政としてのこのサービスへの関わり、事業実施の公開における透明度、実装機能の傾向などを把握することができた。今後、本調査の結果を深層的に分析することで、情報の非対称性の格差に対応し、地域住民が自発的にヘルスケア情報を活用することで個人の健康増進や行動変容の促進等に繋げるには何が必要とされるのか、専門的な医療情報学及び医療経営学の視座から、社会科学的アプローチにより解明することで、2023年度に調査報告をまとめる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの影響により、遅れていた全国的なアンケート調査を実施し、高い有効回答率であったため、2023年度は、本調査の結果を深層的に分析することで、学会発表および学会誌や専門雑誌等への論文投稿を行う。これらの結果を踏まえて、最終的な研究報告をまとめるための見通しが立った。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度で研究終了予定であったが、新型コロナウイルスの影響により、遅れていた全国的なアンケート調査の実施とアンケート結果の回収まで完了することができた。これにより、2023年度前期はこれまでの研究成果と合わせて、調査分析をまとめ、学会発表および学会誌や専門雑誌等への論文投稿を順次行っていく予定である。 現在顕在化している研究遂行の課題等はない。
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Causes of Carryover |
必要な調査研究は終了したが、研究成果の分析や発表にかかる経費が必要となる。研究の延長申請を行ったことで、これらを2023年度計画において執行する予定である。
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