2021 Fiscal Year Research-status Report
筋ジストロフィー患者に対するシーティング・プロセスの確立に向けた実態調査
Project/Area Number |
20K18895
|
Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
藤田 ひとみ 日本福祉大学, 健康科学部, 講師 (50610010)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 筋ジストロフィー / シーティング / 質問紙調査 / 質的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
シーティング・プロセスへの患者の参加を明確にするための最初のステップとして,筋ジストロフィー患者へのシーティングに関与しているセラピスト(PT/OT)を対象とした調査を実施した.その集約として学術誌への投稿,当初研究計画にあったグループインタビューについては,感染症対策を考慮し,紙面調査から得られた自由記述の質的分析に変更して行うことを当該年度の計画としていた. 紙面調査の集約においては,Surveying Therapists on Seating Approaches for Patients with Muscular Dystrophy in Japanとして論文化し,筋ジストロフィー患者のシーティングに関与しているセラピスト(PT/OT)の現状について量的に俯瞰することができた.実装の部分については質的解析を用いて阻害要因,促進要因を明確にすることを目的として,ミックスメソッドを用いた分析に着手している.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
質問紙調査の集約は完了し,論文化まで実施した.一方,質的解析においては,現在途中の段階のため,今年度引き続き解析を進めていく必要がある.シーティングに関与するセラピストがどのような状況に対して満足しているのか,何をもって「良い」としているのか,シーティングで目指すものは何か,について質問紙「満足している理由」の自由記述より分析する.加えて,シーティングの課題について,どのような要因が課題に影響を及ぼしているのか,セラピストの役割及び限界について質問紙「問題と感じるところ」の自由記述より分析する.
|
Strategy for Future Research Activity |
質問紙調査の質的解析を引き続き行い,筋ジストロフィー患者へのシーティングに関与するセラピストの特性を追求し,有効な介入を臨床現場での実践につなげる実装科学の視点を取り入れる. 上記と並行して,福祉用具関係者への紙面調査の準備に着手する.調査対象については,すでに計画変更している団体を対象とした調査とし,調査項目の作成・質問紙配布に取り掛かる.質問項目としては,①回答者の基本情報,②筋ジス患者へのシーティングに関する内容,③業務におけるシーティング対応の体制,④シーティングに関する情報収集の方法を予定している.
|
Causes of Carryover |
感染症対策の影響で,対面によるインタビュー調査が実施できなかったため,インタビュー関連で予算計上していた助成金に余剰が生じた. 以上のことより,2022年度の使用計画に質問紙作成に関するフィールドリサーチ(67千円)を追加する.筋ジストロフィー患者へのシーティング場面に立ち会い,車椅子提供担当者が現場でどのような対応をしているのか,患者及びその家族が求めている項目(情報,知識,技術等)を調査し,今後実施する予定である質問紙の内容へ反映させる.
|
Research Products
(1 results)